「家族を取り戻したい」―メキシコで急増する行方不明者に徹底した調査を!

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治安当局や麻薬カルテルなどによる拉致がまん延するメキシコでは、2006年から2015年までの行方不明者が27,600人にも上ります。2年前にも、学生43人が地元警察に連れ去られ、今も行方が分からないままです。

警察と加害者の癒着、捜索の遅れ、手抜き捜査など、事件がきちんと調査されることはほとんどなく、捜査が始まらない場合すらあります。被害者の家族は生活を削り、報復の危険にさらされながらも、自ら真相究明に取り組んでいます。しかし、当局は家族がつかんだ証拠や情報をまともに取り合ってくれません。

2015年12月、大統領が強制失踪や誘拐を防止し裁くための法案を提出しました。現在、議会がその内容を審議しています。失踪に関する徹底調査を当局の義務とし、被害者やその家族を保護し支援するよう、今すぐメキシコ議会に求めてください。



 

明らかになった、ずさんな捜査

2014年9月、学生たちが集会に参加しようとバスで移動していたところ、警察に襲撃され、複数が負傷し、6人が命を奪われました。さらに43人もの学生が「失踪」しましたが、いまだに何の手がかりもつかめていません。被害者の多くは20代の男性で、教師になることを目指して大学で学んでいました。彼らが通っていた学校は、貧しい若者たちにも門戸を開き、学生たちが社会運動に積極的であることでも知られていたため、政府から目をつけられていました。

世界中に広がった非難の声もあり、この事件には国際的な専門家チームによる独立調査が行われました。2015年9月、調査団は犯罪現場の保存、証拠の採取や記録で捜査に重大な欠陥があったことを報告しました。また、連邦検察は、警察から学生らを引き渡された麻薬組織が、彼らを殺害、遺体を焼却し、遺灰を近くの川に捨てたとしていますが、調査団は当局の主張を裏付ける証拠はないとして否定しています。

この件に限らず、警察や検察のずさんな捜査によって、強制失踪、誘拐事件の多くが未解決のままです。

闘い続ける被害者の家族たち

行方不明の息子、ダニエルさんの行方と正義を求めデモに参加するディアナさん行方不明の息子、ダニエルさんの行方と正義を求めデモに参加するディアナさん

「彼らにとって私たちは単なる『紙切れ』です。行方不明者の報告は、山積みされた書類の1枚に過ぎません」-2010年2月に娘を誘拐されたマルタ・アラナさん

真相究明に取り組む被害者家族の多くは脅迫や嫌がらせの標的となっています。報復の恐れから自宅に住めなくなった人、家族を失ったショックや捜索活動の疲労で病気になる人、証拠や情報収集のために仕事を減らし、生活が困窮する人もいます。

現在の法律には、こうした被害者家族を保護する規定がなく、政府の対応は不十分です。捜査当局の事件への無関心さや軽率な言動が家族をさらに追い込むこともあります。学生43人の強制失踪事件では、警察や検察は家族の声に真剣に耳を傾けることなく、被害者たちが犯罪組織とつながりがあったかのような発言を何度も繰り返しました。

アクションに参加しよう!

メキシコで急増する行方不明者、そして愛する人を今も探し続けている家族のために、あなたの力を貸してください。失踪に関する届け出の徹底調査を当局の義務とし、被害者やその家族の保護と支援を保障するよう、メキシコ議会に要請してください。

※名前、メールアドレス、個人情報保護の項目は必須です。駐日メキシコ大使館には名前、メールアドレスが配信元として送信され、返事が届く可能性があります。メキシコ議会にはアムネスティで署名を取りまとめて提出します。その他の項目にご記入いただいた方には、アムネスティ・インターナショナル日本から後日、活動紹介のご連絡を差し上げる場合がございます。

アクション期間 このアクションは終了しました。(2016年2月3日~4月4日)
要請先 メキシコ議会、駐日メキシコ大使館
※メールアドレスの閉鎖などにより要請先にメールが届かなくなった場合は、署名に切り替えてお名前を要請先に提出します。