トルコ:人権のために闘う弁護士を救いたい

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政府や警察によるさまざまな妨害や脅迫に立ち向かい、30年以上にわたりトルコの人権問題に取り組んできた弁護士が、いま、投獄の危機にあります。

人権団体の主要メンバーであり、人権派弁護士として活躍するエレン・ケスキンさんは、トルコで起きている人権侵害を批判したために、これまで100回以上も起訴されてきました。表現の自由を不当に制限する刑法があるためです。現在も「国家を中傷した」罪で有罪となり、係争中です。

エレンさんに対する有罪判決を取り消すとともに、表現の自由を抑圧する刑法の条文を削除するよう、今すぐトルコ法務大臣に要請してください!



 

弁護士資格を永久にはく奪される可能性も

主に政治的な事件を手がけるエレンさんは、拘禁中に性的な拷問を受けた女性を支援するプロジェクトも立ち上げています。また、トルコのクルド人問題についても積極的に発言しています。そのため、6カ月間投獄されたこともあり、近年では、兵士や憲兵がクルド人の女性に行った性的な嫌がらせを公表したために有罪判決を受けています。この時は罰金刑を科されました。

最も新しい有罪判決は、2014年に下されました。04年に当局が行った対テロリスト軍事作戦において、12歳の男の子が銃撃に巻き込まれて亡くなった事件を批判したことが、「国家を中傷した」罪に当たるとされたのです。

発言は05年のことで、翌年に起訴され、07年には1年の刑を言い渡されました。その後、罰金刑に減刑されています。しかし、上訴中に刑法が改正されたため、改正法のもとで新たに審理され直し、今回、再び有罪となったのです。

当局の行動により子どもが犠牲になったと批判するのは違法行為ではなく、その表現の自由は保障されるべきです。エレンさんは現在、上訴中ですが、有罪が確定すれば、再び投獄されるだけでなく、2度目の弁護士資格停止、最悪の場合には、永久に資格がはく奪される可能性もあります。

トルコ国内に広がる弾圧

トルコでは、2016年7月に起きたクーデター未遂事件以降、戒厳令下にあり、反体制派と見なされる人びとが前例のない規模で弾圧されています。人権活動家やジャーナリストに対する取り締まりも厳しくなり、11月には、弁護士団体や女性支援団体など、300を超える団体が「テロ組織に関係している」などといった理由で突如閉鎖され、財産を没収されました。

エレンさんもパスポートを没収され、国内の移動も禁止されました。自宅や以前の勤務先である新聞社にも家宅捜索が入り、新聞社は閉鎖に追い込まれました。司法当局の中には、エレンさんを「テロ組織の関係者」として訴追しようとする動きもあり、もし有罪になると、一生刑務所から出られないおそれすらあります。

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エレンさんが有罪となったのは、国家への中傷を禁止する刑法301条違反です。トルコでは多くの人が同様に有罪判決を受けてきました。この条項は、「批判する目的で考えを表現することは、犯罪とならない」と規定する一方、「国家や政府を中傷する発言」は刑罰の対象としていました。2008年に条文が一部改正され、301条に基づく起訴はとても少なくなりましたが、表現の自由を脅かすものであることに変わりはなく、アムネスティは削除を求め続けています。

 

アクションに参加しよう!

エレンさんに対する有罪判決を取り消すとともに、表現の自由を抑圧する刑法の条文を削除するよう、今すぐトルコ法務大臣に要請して下さい!

アクション期間 このアクションは終了しました。(2016年12月15日~2017年1月17日)
要請先 トルコ法務大臣

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