- 最新情報:
- 2017年9月 1日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年6月29日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- アーマド・カタメシュ(男性)
- 期限:
- 2017年7月27日
- 配信日:
- 2017年6月29日
- UA No:
- 140/2017
イスラエルの軍判事は6月13日、大学教授のパレスチナ人、アーマド・カタメシュさん(67才)に対する3カ月間の行政拘禁命令を追認した。カタメシュさんは、5月14日から起訴も裁判もないまま、オフェール刑務所に勾留され、5月17日に行政拘禁命令を受けた。
政治コメンテーターでもあるアーマド・カタメシュさんは5月17日、被占領ヨルダン川西岸地区のイスラエル軍司令官に3カ月間の行政拘禁命令を下された。アッダミール協会のマムード・ハッサン弁護士によると、行政拘禁命令は6月13日の審理で追認されたという。カタメシュさんは5月14日、自宅を急襲したイスラエル軍兵士に逮捕された。
これまで、イスラエルとパレスチナ両当局とオスロ合意に対して、歯に衣着せぬ批判をしてきた。この合意は、被占領パレスチナ地域(OPT)のいくつかの地域の管理をパレスチナ当局に部分的に移すという暫定的な協定だった。彼は、パレスチナ人の政治と戦略の根本的変革、また西岸地区におけるパレスチナ当局とハマスの間の分裂を終息させることを求めてきた。また、パレスチナ住民が自分たちの指導部に不満を抱いていることを指摘してきた。
最近、彼はパレスチナ人の囚人たちの大規模なハンストを強く支持する声明を出した。ハンストは4月17日に始まり、およそ1,500名の囚人たちがイスラエルの監獄での拘禁に抗議するため40日間、すべての食べ物を拒否した。
カタメシュさんは、単に非暴力な政治活動と執筆活動のため、また他のパレスチナ人の活動を抑止するために、拘禁されていると考えられ、「良心の囚人」だ。カタメシュさんが、行政拘禁を受けて投獄されるのは、これが初めてではなく、これまでにかれこれ8年余りの行政拘禁を受けた。前回の釈放は、2013年12月だった。カタメシュさんの妻がアムネスティに語った所によると、前回の拘禁中に受けた手荒い処遇といいかげんな医療で内耳が異常をきたし、身体のバランス機能がおかしくなったという。「釈放以降、失神や一時的な記憶喪失を繰り返しており、体調が心配だ」という。
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追加情報
カタメシュさんの逮捕の様子を目撃した人たちによると、イスラエル軍は5月14日午前4時30頃、被占領西岸地区のラマッラー近郊のアル=ビレに、少なくとも8台のジープなどに分乗した兵士40、50人が乗り込んできた。兵士たちは、何軒かを捜索した上で、カタメシュさんの兄弟宅を見つけ、兄弟に案内させてカタメシュさん宅を探しだし、逮捕・連行した。家宅捜索はされなかったという。
逮捕前、カタメシュさんは地元のテレビやラジオの番組によく出演していた。また、パレスチナ人とイスラエル人の間の代替となる統治制度に対する提案の分析を執筆している。
家族によると、カタメシュさんは昨年2回、イスラエル軍の諜報当局の尋問を受け、政治的な話題を執筆したり、メディアで話したりしないよう求められ、「従わないとまずいことになるぞ」と警告された。
しかし、カタメシュさんは、「自分は物書きであり学者だ。思ったことを話し、書く」と、2回とも当局の忠告を退けた。妻の話では、5月21日に会った弁護士に夫は、「恣意的な逮捕と投獄に抗議して、獄中での投薬を受けない。また当局と無関係な医師の診察でなければ、診察も受けない」と語ったという。
行政拘禁は表向き、著しく、かつ差し迫った治安不安を引き起こす危険性がある者を拘禁する例外的措置として導入された。しかし、イスラエル当局はこれまで、犯罪容疑者を起訴する刑事司法制度の代替手段として、あるいはまったく罪のない人を拘禁するために、行政拘禁を利用してきた。この命令は無制限に更新可能で、行政拘禁されているパレスチナ人の中には、言論・結社の自由の権利を平和的に行使しただけで拘禁されている良心の囚人がいると、アムネスティは考える。イスラエルのNGO、ハモウクドによると、今年6月初めの時点で、行政拘禁されている人は、477人に上るとのことだった。
- 最新情報:
- 2017年9月 1日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2017年6月29日
- 国名:
- イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- 対象者:
- アーマド・カタメシュ
- 期限:
- 2017年7月27日
- 配信日:
- 2017年9月 1日
- UA No:
- 140/2017
大学教授のアーマド・カタメシュさん(67才)が8月13日、イスラエル当局の行政拘禁から釈放された。5月から始まった行政拘禁命令が期限の3カ月を過ぎて失効し、更新されなかったことによる。自由の身となり、被占領ヨルダン川西岸地区のラマッラーの自宅に帰り、家族との生活を取り戻した。
カタメシュさんは5月14日、自宅に踏み込んできた軍兵士に逮捕され、拘禁された。5月17日、被占領西岸地区の軍司令官から行政拘禁命令を受け、ラマッラー近郊のオフェール刑務所に起訴も裁判もないまま3カ月間、拘禁されていた。辛辣な批評で拘束された「良心の囚人」だった。
カタメシュさんは釈放後、アムネスティに次のように語った。「勾留中は、暴力は受けなかった。ただ、行政拘禁制度それ自体が、そもそも暴力的だ。人の口を封じ、社会から孤立させ、人生を奪う。潔白を主張する権利、自分の罪状を知る権利さえ否定する制度だ。その行使は、あくまで政治的だ。私は政治学が専門で、政治状況の分析にもとづく執筆やセミナーをよくするが、暴力的でも暴力を唱えたりもしない。当局は、私の暴力ではなく、考え方や分析を恐れているのだ。これまで計8年半あまりも行政拘禁され、また、今回の3カ月だった。沈黙を拒んだからだ」
さらに、アムネスティに対して、行政拘禁の乱用に反対する活動を続けるよう勧めた。「これまで、連帯して私を支持してくれた人すべてに、もう一度、心から感謝したい。アムネスティとともに不正義に立ち向かう人びとがいることを知って、元気をもらっている。行政拘禁という不当で道義に反する行為を止めさせるために、みんなが力を合わせていってほしい。遠く離れていてもイスラエルの行政拘禁の乱用に反対し、強い姿勢で人権を擁護してきたことに感謝したい」
要請文を送ってくださった皆さん、ありがとうございました。この件に関するUA行動は終了します。