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イベント報告【イベント報告】スピーキングツアー2013/パキスタン、アフガニスタンの女性活動家が来日!全国7カ所で講演会を開催

東京講演の様子東京講演の様子

アフガニスタンやパキスタンでは、多くの女性が家庭内暴力や強制婚、名誉殺人の犠牲となり、就労や教育の機会から排除されるなど、共通の暴力や差別に直面しています。また、そうした女性たちを保護し、女性の権利や地位の向上を目指して活動をしている人びとも、脅迫や嫌がらせを受けています。

アムネスティ日本は10月26日から11月6日、「命を懸けて求める自由~差別や暴力に立ち向かう南アジアの女性たち」と題し、アフガニスタンとパキスタンから2人の女性活動家を招へいして全国7カ所で講演会を開催しました。
 

マリー・アクラミさん(アフガン女性技能開発センター 事務局長)

hrc_20131125_01.jpgマリーアクラミさん(東京講演にて)

かつて女性は、もっと輝いていた

アフガニスタンのゲスト、マリー・アクラミさんは横浜(10/26)、金沢(10/27)、弘前(10/30)、東京(11/2)で講演しました。各地でたくさんの方が参加され、真剣にマリーさんの話に耳を傾け、さまざまな質問が飛び交いました。

タリバン政権が誕生する直前にパキスタンに逃れ、アフガンの難民女性のために何かしたい、という思いからNGOを立ち上げたマリーさん。現在はカブールに事務所を移し、平和構築プロセスにおける女性の参画や、親族の暴力から女性を保護するシェルターの運営などを精力的に行っています。

マリーさんは、長くアフガニスタンを蝕んできた紛争の中で、社会全体が暴力的になり、女性への差別や暴力を容認する風潮が増幅していったと指摘。タリバン政権下では、中央の政治や地域社会の意思決定から排除され、初等教育を受ける少女はほとんどいなくなったといいます。

タリバン政権崩壊後、国会では女性議員の特別割当て制度が導入されるなど前進がありました。しかし、ここ最近はその割当てが削減され、2009年に大統領令で成立した女性への暴力根絶法が保守勢力によって骨抜きにされる危険があると、マリーさんは危機感を募らせています。「国際社会はアフガンに対して、そして女性の人権について関心を失わないでほしい」と強く訴えました。

横浜の講演では、参加者の中にソビエト侵攻前のアフガニスタンを訪れたことのある女性がいらっしゃいました。当時のカブールの美しさ、自由な雰囲気についてその方が語ったとき、マリーさんは目に涙を浮かべ、美しかったカブールの思い出を共有できる人に日本で出会えたことを喜んでいました。そして、「かつてアフガニスタンの女性はもっと自由でした。地域で紛争解決の重要な役割を担っていたのは女性なのです」と語りました。
 

ルクシャンダ・ナズさん

hrc_20131125_02.jpgルクシャンダ・ナズさん(東京講演にて)

女性を抑圧する慣習の壁

パキスタンのゲスト、ルクシャンダ・ナズさんは東京(11/2)を皮切りに、大阪(11/3)、明石(11/4)、徳島(11/6)で講演を行いました。

ルクシャンダさんは子どもの頃から非常に保守的な地域と環境で育ち、高校への進学を反対されたときは、ハンガーストライキをして自分の意思を貫こうとしました。出身部族の中で初めて女性として弁護士となり、その後、女性の権利保障を実現するために女性団体に入りました。以来、何度か命を狙われながらも一貫して女性運動のために活動を続けてきました。その強さ、しなやかさ、そして穏やかさに、各地のアムネスティ・グループのメンバーも惹きつけられたようです。

パキスタンは女性の首相を輩出するなど、女性の政治・社会進出が進んでいるようにも思えます。しかし、政治家やジャーナリスト、裁判官などになって活躍する女性は全体の20%に過ぎず、残りの80%は、十分な教育を受けることも、一人で自由に外出することも許されない女性たちです。

こうした背景には、女性を差別する法律があるほかに、女性を抑圧する慣習や非公式な制度(地域の長老会議など)が根強いことがあります。また、地域紛争や過激主義の台頭が、女性の活動範囲を一層狭める結果になったとも、ルクシャンダさんは指摘します。

それでも希望はある、とルクシャンダさんは言います。女性、労働者、農民など、権利を基盤にした運動が広がっており、こうした市民運動を拡大していくことが重要だと語っていました。

参加者からは、「20%の女性は80%の女性を支援しないのですか?」という質問がありました。ルクシャンダさんは、もちろんありますと言いつつも、女性に教育の機会を保障し女性を暴力から保護することは、「国家の責任であり義務だ」と、はっきりと答えていました。
 

講演外での新しい出会いや発見も

hrc_20131125_03.jpg神奈川講演終了後の打ち上げの様子

hrc_20131125_04.jpgリンゴ園にて。マリーさん

hrc_20131125_05.jpg大阪講演終了後の記念写真

hrc_20131125_06.jpg徳島では染色にも挑戦! ルクシャンダさん

地域の講演を終えて東京に戻ってきたお二人が口をそろえて言っていたのは、「日本の普通の人たちの前で話すこと」の新鮮さと楽しさでした。とりわけ質疑応答や、講演会後の参加者との懇親会がとても嬉しかったようです。

地域講演のために移動続きでしたが、マリーさんは弘前で、車中から見えた一面のりんご園に感動し、車を止めて記念撮影。金沢では、やはり小松空港から金沢市内に向かう途中で見えた海が気に入り、お休みの日に金沢グループのメンバーと海に散歩へ。

ルクシャンダさんは、昼食に入ったお店が印象に残ったようでした。定食屋さんは母親、若い姉妹で切り盛りしていました。パキスタンでは女性だけで店を経営することなどありえないらしく、「何も妨害されませんか」としきりと女性の板前さんに尋ねました。

明石では、女性が自転車に乗る姿をホテルから眺めて楽しんでいました。パキスタンでは、女性が自転車に乗ることは禁じられているそうです。
 

多くの方のご支援、
ありがとうございます!

お二人を招へいする計画がスタートしたのは今年の4月。講演開催地の決定、来日に必要なビザの準備、資料の準備、通訳の手配、講演会の広報……。忙しい日々が続きましたが、国境を越えて素晴らしい女性たちと出会うことができました。

そして、多くの方々からご寄付をいただき、講演会にご来場いただきました。また、各地の地元紙でパキスタン、アフガニスタンの女性の状況やお二人の活動が紹介されました。

ご支援してくださったたくさんの皆さんに、心からお礼を申し上げます。
ありがとうございました!

講演場所・日程 神奈川講演:10月26日(土)/ゲスト:マリーさん
金沢講演:10月27日(日)/ゲスト:マリーさん
青森講演:10月30日(水)/ゲスト:マリーさん
東京講演:11月2日(土)/ゲスト:マリーさん、ルクシャンダさん
大阪講演:11月3日(日)/ゲスト:ルクシャンダさん
明石講演:11月4日(月)/ゲスト:ルクシャンダさん
徳島講演:11月6日(水)/ゲスト:ルクシャンダさん
主催 アムネスティ・インターナショナル日本

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