去る1月13日(月・祝)、えん罪の可能性がありながら死刑判決を受け、47年以上にわたり拘禁されている袴田事件:袴田巌さんの即時再審開始を求める集会が、静岡市内で行われました。

また、アムネスティ日本支部をはじめ、各国支部と共に署名活動を実施、41,327筆の署名が集まりました。

袴田巖さんの即時再審開始を求める全国集会

hakamada1.jpg集会の様子

1月13日(月・祝)、静岡県静岡市葵区の総合福祉会館で、袴田事件の再審(裁判のやり直し)を目指す支援集会が開かれ、およそ350名もの人が集まりました。

アムネスティ日本からは、事務局長の若林が参加しました。

hakamada2.jpg集会後のデモ

集会では、まず弁護団の西嶋勝彦団長が、第二次再審の経過と、静岡地裁に先月提出した最終意見書について説明。

続いて、死刑確定後に再審無罪となった元死刑囚の免田栄さん(88)や赤堀政夫さん(84)、「布川事件」で3年前に再審で無罪が確定した、杉山卓男さんと桜井昌司さんが登壇し、袴田巖さんへの応援のメッセージを送りました。

また、ジャーナリストの江川紹子さんによる、「冤罪(えんざい)の構図と裁判官の責任」と題した講演も行われました。

袴田巖さんの姉のひで子さん(80)は「こんなに大勢集まったのは初めてかもしれません。長い道のりだったが、ここまで来ました。どうか最後まで応援をよろしくお願いします」と、さらなる支援を呼びかけました。

最後に、事務局長の若林は、閉会の挨拶の中で、アムネスティに集まった全世界からの署名に触れ、「世界が注目する袴田です。我々の目標は、公正な裁判を実現して、巌さんをひで子さんのもとに返すことであり、その日まで共にがんばりましょう」と、会を締めくくりました。

署名を静岡地検へ

hakamada3.jpg静岡地検へ署名提出

翌14日(火)、事務局長の若林とひで子さんは、約4万人の署名を静岡地検に提出し、再審が決まった後に即時抗告をしないよう要請しました。

今回の要請キャンペーンでは、アムネスティの各国支部の協力で、合計41,327名分の署名が集まりました。

内訳は下記のとおりです。
オーストラリア支部 17,252名
イギリス支部 17,048名
オランダ支部 4,279名
ドイツ支部 535名
日本支部 2,213名
合計 41,327名
この他、スペイン支部からは、要請の手紙が約1,000通、地検に送られました。

ご協力いただいたみなさん、たくさんのご支援を、本当にありがとうございました。
 

今後も続く、アムネスティの取り組み

袴田事件では、この春にも静岡地方裁判所が再審について判断を示す可能性があります。3月10日に78才の誕生日を迎える袴田巖さんは、高齢であり、また、47年以上にわたる拘禁生活により、深刻な精神状態にあるとの報告もあります。

アムネスティ・インターナショナルは、袴田巖さんの失われた人権と、失われた尊厳を取り戻すため、活動をつづけます。
引き続きのご支援とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

▽袴田事件についてもっと詳しく知りたい方はこちら
取調べの可視化 - 日本の冤罪事件

 

hakamada_bottom.jpg静岡地検前で

集会開催日時 2014年1月13日(月・祝)
署名提出日 2014年1月14日(火)
署名提出先 静岡地検

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