48年間という、気の遠くなるような長い間拘禁されていた袴田巌さんが、3月27日に釈放されました。

死刑判決に対する再審を求めていた袴田さん。その可否決定が予定されていた27日10時、東京事務所では、かたずをのんで行方を見守っていました。再審決定の一報を聞いた時の喜びといったら!しかし、それだけではなかったのです。刑の執行停止と釈放までもが決定されたのです。

静岡地裁からの文書には、かたくなに過ちを認めてこなかった司法への怒りと自責の念が込められているようでした。「無罪を言い渡すべき明らかな(新)証拠」「証拠ねつ造の疑い」「犯人であると認定できるものではない」「耐え難いほど正義に反する」という強い表現が、随所に現れていました。

そして夕方5時20分、袴田さんが釈放されたというニュースが飛び込んできました。自分の足で拘置所から歩いて出てくる袴田さんの映像を見た職員の目には、うっすらと涙が。きっと、会員のみなさんも同じ想いでいたことでしょう。

懸念は検察の抗告(不服申し立て)です。決定の知らせを聞いたその瞬間、即時抗告しないよう静岡地裁、東京高検最高検に申請するアクションを、日本で支援してくれているみなさん、そして世界中のアムネスティにメールで配信しました。

静岡地裁は釈放に対して、その日のうちに抗告をしました。しかしこれは、東京高裁から却下されました。再審決定については.....残念ながら検察は期限ぎりぎりに、即時抗告をしました。

むごいことに、申し立てにの審理には長ければ2年もかかります。これからもみなさんで、袴田さんを支えていきましょう!

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袴田さんの姉、袴田秀子さんからのメッセージ

みなさんのおかげで、巌が帰ってきました。本当にありがとう。みなさんありがとうございました。

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