12月16日(火)、報告会「北朝鮮の人権問題を解決するために~国連決議を受けて、日本がいま国際社会から求められている役割~」をアムネスティ日本・東京事務所で開催、20名を超える方に足を運んでいただきました。

北朝鮮では、半世紀以上にもわたって、世界に類をみない人権侵害が行われています。当日は、アムネスティで北朝鮮を含む東アジアの調査員を務め、北朝鮮国内の人道支援にも携わったことのあるアーノルド・ファン氏をお招きしました。国際社会の動向を踏まえて、この問題を解決するために日本に求められている役割について報告しました。

北朝鮮の人権問題と国際社会の動向

今年2月に、国連の調査委員会が明らかにした北朝鮮の人権侵害は、人びとの想像を絶するものでした。政治囚強制収容所における強制労働や拷問・虐待、公開処刑、強制堕胎、餓死させられる子どもたち、未だ解決しない拉致問題・・・。調査委員会は北朝鮮の人権侵害を「人道に対する罪」と断じています。

この報告書に基づき、3月には国連人権理事会で、そして12月には国連総会で北朝鮮の人道に対する罪を強く非難する決議案が採択され、責任者は法で裁かなければならないという強いメッセージを送りました。

日本に求められている役割

国際社会が大きく動く中、北朝鮮の人権問題の解決に向けて日本が主導的に動くことが期待されているとアーノルドさんはいいます。

現在、日本は北朝鮮との交渉にあたって、主に2つのアプローチをすすめています。1つ目は多国間交渉。日本は、国連決議案をEU諸国と共同で作成し、多くの賛同国を得られるよう積極的に働きかけました。もう一つは、拉致問題解決に向けてすすめている二国間交渉です。北朝鮮の人権問題を解決するには、さまざま手段で圧力をかけなければならず、引き続き、両場面で人権問題を取り上げることが重要となります。

さらに、このような動きの中、在日朝鮮人の人権尊重など国内の問題について、あらためて目を向けなければいけないとアーノルドさんは訴えます。国連人種差別撤廃委員会が指摘するヘイトスピーチや朝鮮高校の無償化制度除外などの差別的な措置に対して効果的な対策をとることが、ますます日本に期待されているのです。

お忙しい中、当日会場にご来場いただいた皆さま、報告会開催にあたりご協力いただいたコリア・チームのボランティアの方々、通訳を務めていただいた熊野里砂さん、そしてご出演いただきましたアーノルド・ファンさん、ありがとうございました。

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開催日 2014年12月16日(火)
開催場所 アムネスティ・インターナショナル日本 東京事務所
主催 アムネスティ・インターナショナル日本

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