5月2日(土)、浜松・袴田巌さんを救う市民の会の呼び掛けで、袴田巌さんの拘置中に巌さんに宛てられた国内・海外の手紙を整理する作業に、アムネスティ日本 静岡グループの有志が参加しました。

この日の集計で、12,000通以上の手紙が計25カ国から届いていたことが判明、最も多かったのはイギリスからで約6,000通、次にスペインからが約4,000通、そしてオランダなどと続きました。数は多くはありませんでしたが、台湾・韓国・マレーシア・チェコなどからも、手紙が届いていました。

実は日本では死刑囚への通信は原則として禁止されています。外部交通権と呼ばれる権利を持った一部の人々しか死刑囚と手紙のやり取りをすることはできず、このため、海外からの手紙もすべて拘置所の倉庫に眠っていました。巌さんが釈放されたあと、拘置所から巌さんと姉のひで子さんのお宅に着払いで段ボール11箱が送られ、そのうち6箱が手紙だったそうです。

巖さんの再審はまだ開始されておらず、釈放されたものの無罪となっていません。

釈放から1年。巌さんの、長年拘置所で過ごしてきたことによる拘禁症※の症状はいまなお深刻ですが、少しづつ笑顔もみられ、手紙も手に取ることができるようになりました。(※拘禁症:長年拘置所で自由を奪われたことによって生じる精神の失調のこと。妄想、うつ状態などの症状がある。)

アムネスティは、袴田巖さんの再審無罪のため、支援を続けていきます。

hrc_20150512_02.jpg届いた手紙を前に、袴田巖さんと姉のひで子さん。

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