詐欺罪で投獄されていたアリフ・ユヌスさん、レイラ・ユヌスさんが2015年11月、12月と相次いで釈放されました。

アゼルバイジャンのNGO「平和・民主主義協会」の代表であるレイラさんは、2014年6月に反逆罪で逮捕されました。アゼルバイジャンは隣国アルメニアと長年対立しており、90年代初頭の武力衝突では大勢の犠牲者が出ました。レイラさんはこの対立を平和的に解決したいという思いで活動しており、逮捕されたのはアルメニアのNGOと共同で平和と和解に向けたプロジェクトを進めていたためです。

反逆罪の他に、助成金に絡む脱税、詐欺、文書偽造などの容疑もかけられました。共に活動する夫のアリフさんも同様の容疑で逮捕されました。詐欺の罪では有罪となり、それぞれ8年半と7年の刑を言い渡されました。

レイラさんは市民に抑圧的なアゼルバイジャン政府への批判活動でも知られています。逮捕の数日前にも記者会見を開いて同国の人権状況のひどさを訴え、首都バクーで開催される欧州初の総合競技大会(欧州版オリンピック)へのボイコットを各国に呼びかけています。

アムネスティでは容疑はレイラさんたちの声を封じるためのでっち上げだと考え、世界中で当局に釈放を求める要請活動を展開しました。ニュースレターでも2015年3.4月号のワールドワイド・アピールで取り上げました。

60歳になるレイラさんは、肝臓が悪く糖尿病も患っています。しかし拘置所の環境は劣悪で、必要な投薬や食事療法がいつも受けられるわけでもなく、持病は悪化しつつありました。アムネスティは要請の中で、その点についても言及しました。

そして2015年11月12日、夫のアリフさんが釈放されました。続いて12月9日に、レイラさんも釈放されました。両名とも釈放されたのは健康上の理由で、アムネスティから届いたたくさんの訴えが釈放の一助となったのです。

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残念ながら完全な自由ではなく、反逆罪の裁判はこれからと、まだまだ予断は許されません。アムネスティは今後も、2人の起訴をとり下げるように政府に要請を続けていきます。

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