2015年12月12日、群馬県で暮らすロヒンギャ難民について知ってもらうため、講演会「館林のロヒンギャたち:日本もビルマと同じだった」を開催しました。また、12/10の「世界人権デー」にあわせ、毎年、アムネスティが世界中で行っている手紙書きのイベント「ライティングマラソン」も同時開催。

当日は、25名の方が参加し、ビルマロヒンギャ協会の方や県職員、県議会議員の方も調査を兼ねてご来場くださいました。

群馬グループ設立後、初めてのイベントでしたが、準備期間が2週間という短い中、たくさんの方がご協力くださり、楽しく学べるイベントになりました!群馬グループの新井が報告します。

日本で暮らすロヒンギャ難民

講演会の様子講演会の様子

あまり知られていませんが、群馬県館林市にはミャンマー(ビルマ)から来たロヒンギャ難民が約200人いると言われています。これは日本で暮らすロヒンギャ難民の85%以上の割合です。

少数民族であるロヒンギャは母国ビルマで長年迫害を受け、多くが家を追われ、国を逃れています。しかし、日本では難民として認定されず、仕事や医療、生活のさまざまな面で苦境にある人も少なくありません。

こうした実態を知ってもらうため、大学院で難民の研究をされ、この問題に詳しい方を講師としてお招きしました。また、群馬県で暮らすロヒンギャの方にもお話しいただきました。

「難民て、なに?」「どうやって日本に来たの?」

誰もが思う疑問から世界各地でロヒンギャが直面している課題、日本の難民政策まで、講師の話は多岐にわたり、一人ひとりが真剣に耳を傾けていました。

「今年9月、シリアから海を渡って逃れてきた男の子の遺体が海岸で発見される事件がありました。この事件を機に、難民に関する報道が増え、人びとの難民への関心は確実に高まっています。でも、あの男の子のような悲劇は氷山の一角に過ぎず、これまでも何千何万の命が失われてきました。ロヒンギャも含め、難民問題が解決しない限り、あのような悲劇が繰り返されることを覚えておいてほしい」と講師は参加者に強く訴えていました。

講師はとても緊張されていた様子でしたが、参加者からの質問に一つひとつ丁寧に答えてくださいました。

世界最大の人権イベント「ライティングマラソン」

手紙書きの様子手紙書きの様子

「ライティングマラソン」は人権が守られずに苦しむ人たちのために、彼らを励まし、また彼らが置かれている状況を改善するために、世界中のアムネスティのメンバーが手紙を書く、世界最大の人権イベントです。

群馬グループは、幼くして結婚を強いられるブルキナファソの少女、拷問で自白を強いられ今も刑務所の中にいるメキシコの女性、ゲイであることを理由に暴力を受けたギリシャの男性、学問の自由を求めて平和的に抗議して拘束されたビルマの学生活動家など、12のケースに取り組みました。

ズラーっと並んだケースを前にじっくり読んでいる人、一枚ずつ丁寧に手書きする人、とにかくたくさん書きたいと熱中する人、それぞれが自分のスタイルで楽しんで手紙を書いていました。集まった手紙は2時間でなんと96通!みなさん、本当に頑張ってくださいました。

世界中で同じときに、同じ誰かに同じ気持ちで手紙を書く。「アムネスティの輪」を参加したみんなが実感することができました。「また、来年もやるんでしょ!?」と嬉しいリクエストもいただきました。

参加者の声

参加者の方が書いてくださった手紙参加者の方が書いてくださった手紙

「多くのロヒンギャの方々が、とても身近なところで大変な苦労をなされているという事実を、当事者の方から直接聞くこともでき、とても有意義な講演でした。同時に、難民に関するさまざまな問題は、決して遠くの国だけで起こっているのではないと確信しました」

「手紙は、限られた時間で数枚しか書くことができませんでしたが、会場のテーブルにまとめられた手紙の数の多さに驚かされました。世界中の人が手紙を書けば、何百万通にもなると思うと、私が書いた一枚、国際的なこのアクションに世界を変える大きな力があるのだと感じることができました」

講師のみなさま、ご来場いただいた参加者のみなさま、ありがとうございました!参加者の方からの「リクエスト」に応えられるよう、今後も群馬グループは世界中の人権課題に取り組んでいきます。

開催日 2015年12月12日(土)
場所 ぐんま男女共同参画センター
主催 アムネスティ日本 群馬グループ

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