長い間、私たちを支えてくれた家族や友人、そして世界中のみんなに感謝の気持ちでいっぱいです。

みんながいなければ、この闘いを耐え抜くことはでなかったでしょう。本当にありがとう。

-アルバート・ウッドフォックス

 

アルバート・ウッドフォックスさんは刑務所の看守を殺害したとして、1972年に米国で有罪判決を受ました。米国史上、最も長い43年もの間、刑務所生活を強いられていましたが、69歳の誕生日である2月19日、ついに釈放されました。

ウッドフォックスさんは一貫して無実を主張してきました。実際、彼と事件を結びつける物的証拠はなく、囚人3名の一貫性に欠ける目撃証言が証拠として取り上げられ、証言者は全員、見返りに減刑という好待遇を受けていました。

このようにたくさんの疑問が残る中で、ウッドフォックスさんに対して有罪判決が出されたのです。判決は後の裁判で3度も覆されていますが、当局は彼を独房に収監し続けました。

アムネスティは、長年、ウッドフォックスさんと、ともに看守殺害犯として有罪判決を受けていたハーマン・ウォレスさんらの釈放を求めて活動してきました。彼らのために世界中から集まった署名は65万通にも上ります。また、ウッドフォックスさんを励ますために、日本や世界中のアムネスティメンバーが彼に応援メッセージや手紙を書いて送りました。

アムネスティのこの活動には、スウェーデンのポップシンガー・メイヤさんも賛同し、ともに粘り強い支援を行ってきました。みなさんの行動の一歩が、今回の大きな勝利に繋がったのです!

ウッドフォックスさんが失った歳月は、決して取り戻すことはできません。同じ事件で苦しめられたウォレスさんは独房で41年を過ごした後、ようやく釈放されました。しかし、そのわずか3日後、ガンで亡くなっています。また、「アンゴラスリー※」として知られているロバート・キングさんも、30年あまりを不当に奪われました。

彼らのような被害者をこれ以上ださないために、アムネスティは今後も活動に取り組んでいきます。

最新のニュース:あまりにも遅いウッドフォックスさんの釈放
https://www.amnesty.or.jp/news/2016/0225_5867.html

※ウッドフォックスさんと「アンゴラスリー」

ウッドフォックスさんとウォレスさんは、刑務所の看守ブレント・ミラーさんを殺害した罪で1972年に有罪判決をうけ、別の犯罪で有罪となったロバート・キングさんと一緒にアンゴラ刑務所に隔離拘禁されていました。ロバート・キングさんは29年の隔離拘禁の後、2001年に釈放されました。ウォレスさんは、1974年に公正な裁判を受けなかったという理由で有罪が覆され、2013年に釈放されましたが、3日後に肝臓ガンで亡くなりました。3人は「アンゴラスリー」として知られています。

ウッドフォックスさんの釈放を求めるアムネスティ米国支部のメンバーウッドフォックスさんの釈放を求めるアムネスティ米国支部のメンバー

ヒューマンライツ・サポーターになりませんか?