4月17日(日)アムネスティ日本東京事務所にて、ドキュメンタリー映画『望むのは死刑ですか 考え悩む"世論"(完全版 59分)』の上映と長塚洋監督トークイベントを開催しました。当日は、22名の方がご参加くださいました。

主催した、アムネスティ日本 死刑廃止ネットワーク(東京)のメンバーが報告します。

映画は一般市民を対象に行われた「審議型意識調査」の様子を追ったドキュメンタリーです。参加した市民は、弁護士や被害者遺族などから死刑に関する賛成・反対それぞれの意見を聞き、その後、市民同士での意見交換が行われます。いろいろな人の言葉を聞き、揺れ動く参加者、揺れ動かない参加者、一人ひとりの意見が映し出されています。

映画上映の後、監督からお話しがあり、また、映画を見た参加者同士で感想等を交換しました。

「命を奪ったら命で償うべき、という考えは変わらないけれども、犯罪被害者遺族の言葉に非常に驚いた」、「冤罪の可能性があるから死刑はダメ」、「加害者を死刑にするという考えは排除の論理ではないかと思った」など、さまざまな意見が出て、参加者一人ひとりがまさに考え悩む様子が伺えました。

このイベントでは、映画上映前とディスカッション後に参加者に死刑制度について賛成か反対のシール貼りアンケートをしました。結果は以下の通りです。

死刑制度について賛成?反対?

  • 映画上映前・・・賛成3、反対18
  • 映画上映とディスカッション後・・・賛成2、反対19、分からない1
    (上映前にシールを貼っていない方が1名いらしたと思われます)

映画を見る前は死刑制度に賛成だったけれど、映画を見て、死刑でなくてもいいかもと思われた方がいらっしゃいました。ディスカッション後に分からないという方もあり、考えれば考えるほど分からなくなってしまう問題なのかもしれません。

長塚監督からは、テレビでは報道されない意見があるという話や「審議型意識調査」をきっかけに、今も考え悩み続けている方の話などがありました。

普段の生活の中では死刑について話をすることはあまりないかもしれませんが、こうした映画は、私たちに議論のきっかけを与えてくれます。

日本では、死刑制度があることが当たり前のように思われています。しかし、「それは本当に当たり前なの事なのか?」。これからも、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。

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開催日 2016年4月17日(日)
開催場所 アムネスティ・インターナショナル日本 東京事務所
主催 アムネスティ日本 死刑廃止ネットワーク(東京)

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