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イベント報告【イベント報告】広島少年院、貴船原少女苑を参観しました

■広島少年院参観

2017年12月4日、広島少年院を参観しました。参加者は6名。場所はJR西条駅から車で20分位の所です。市街地から外れた場所にあり、敷地は広く、周りは田畑が見られます。歴史も古く、日本で5番目にできた少年院とのことです。この日は午前からの参観で、広島少年院の敷地に隣接して貴船原少女苑があり、午後からはそちらも参観しました。

今回は、事前質問に対する回答を事前に書面でいただいていたので、施設の概要、状況を知った上で訪問することができ、限られた時間をより有効に使うことができました。また、施設のスタッフの方々も、説明や質問に丁寧にわかりやすく答えてくださり、いつもに増して有意義な参観であったと感じました。

この施設の収容定員は100名、参観時点での収容人数は56名とのこと。年齢で先輩・後輩が決まるわけではなく、年上であっても後から入所した場合は若い人が先輩、というような状況に自然になるそうです。指導教官の方からすると、カリキュラムの級でクラス分けをしているため、年齢の上下混合は問題とされていないようでした。

施設内の見学では学習作業中の少年たちの姿が見え、掛声をしながら規律正しく廊下を移動していました。中学生には義務教育課程のカリキュラムがあり、また、20歳の入院生もいるのですが、年齢に関係なく同じカリキュラムを行うそうです。カリキュラムは3つの級に分けられ、それぞれの課題を見極め、成績から達成度を判断し昇級するとのことです。標準では全課程を11カ月で終えるそうですが、成績がよければ少し期間が縮まることもある一方、課題を達成できていなければ教育期間が延びることもあります。

年間行事の中には運動会もあり、年齢の上下に関係なくみんなで競技するとのこと。そうしたさまざまな学校行事を行うことは、「ここで暮らす少年たちにいつか子どもができた時、子どもに共感を持って理解することができるように」という意味も込められているそうです。

少年たちは、生活寮でのグループと各学習作業のグループが異なるために、休憩や移動のたびに確認の点呼をするのが日課だそうで、なかなか大変そうだと感じました。生活寮の共同トイレは、いじめなどの防止対策として、壁の一部がガラス張りになっていました。プライバシーを尊重する考えと目を行き届かせるための対策、相反する価値観のせめぎ合いが施設の中では見られます。

見学後の質疑応答で、経歴の長いスタッフの方が「時代の変化の中で少年たちの非行の形やコミュニケーション取り方なども変わってきている。そうした変化の中でも少年院の役割として不変のものがあるのではないか」と語ってくださいました。こうした現場の生の声を聴くと、参観でしかできない経験や気づきがあることを実感します。

ご対応くださいましたスタッフの皆さま、ありがとうございました。

報告者:段原 秀彦(アムネスティ会員)

 

■貴船原少女苑参観

広島少年院参観に続き、貴船原少女苑の施設を参観しました。

概況説明の後、施設内の視聴覚室、使われていない寮、運動場などを見学しました。人件費削減のため、食事は広島少年院がまとめて調理をして貴船原少女苑に運ぶ、庶務課は広島少年院と共同で運営されているそうです。少年院内にかわいい犬が2匹飼われていました。

事前質問について下記の通り、書面で回答をいただきました。

  • 貴船原少女苑の収容定員は60名、収容状況は18名(平成28年10月1日時点)
  • 職員定員は27名、職員現員は26名
  • 有給休暇は平均6.9日(平成28年度)
  • 義務教育過程にある在院者に対しては、文部科学省のカリキュラムに沿った義務教育を授けている
  • 退院者及び保護者等に対しては、相談制度と相談専用電話番号を周知していて、相談専用電話にかかってくるものの多くは近況報告であるが、保護観察所に伝達し、場合によっては職員を保護観察所や更正保護施設に派遣して相談に応じさせることもある

質疑応答では、少年院内で衆議院議員選挙の投票がおこなわれたこと(選挙権が18歳になったので)、参観した者が少年院や被収容の少年たちにできることとして、「参観で見たことをそのまま5人以上の人にお話してください。」と言われたのが印象に残りました。ここ数十年の変化という質問には、退院後の少女達同士がお互いに連絡をとらないように指導しても、SNSですぐに連絡をできるようになっていると話されていました。

また、女子刑務所は職員の離職率が高いが女子少年院はどうか、それに対して何か取り組みをしているかという質問に対しては、女子少年院は離職率は高くないので取り組みはしていない、という回答をいただきました。離職率は高くないということですが、精神的に不安定な被収容者がいると、毎晩のように非常ベルが鳴り、宿舎で入浴中で髪を洗っていても、すぐに少年院に駆けつけないといけない、との話を伺い、24時間気が休まることのない大変なお仕事だと思いました。

最後に、廊下に貼る在院者への激励メッセージを書いて、キフネットのカードをご紹介いただきました。カードには「少年の立ち直りを応援します」と書いてあり、各自で財布や手帳にいれておくことができます。

参観を受け入れ、丁寧に説明や施設案内をしていただいた広島少年院と貴船原少女苑のみなさま、ありがとうございました。。

報告者:小谷(アムネスティ日本 国内人権ネットコーディネーター)

実施日 2017年12月4日(月)
場所 広島少年院、貴船原少女苑
主催 アムネスティ日本 国内人権ネット

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