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イベント報告【イベント報告】加古川刑務所を参観しました

2018年2月9日、10名で兵庫県加古川市にある加古川刑務所を参観しました。主催した国内人権ネットのメンバー、片桐が報告します。

元大阪陸軍航空補給廠神野出張所跡地を利用して、戦後に開設された加古川刑務所。

近年、住宅開発の波に呑み込まれ、近隣の高層マンション等から所内を見下ろされる状況となり、受刑者のプライバシー保護に腐心する刑務所がしばしば見受けられます。しかし、広大な元軍用地ということと、周囲が古くからある農村集落であるため、田畑と戸建て住宅に囲まれた環境が、ここ加古川刑務所では、所内を見下ろすような大きい建造物の周囲への進出を阻んでいます。

また、この広大な用地は施設の拡充を促し、現在、一般の刑務所に相当する一般区に加え、女子収容区(女子刑務所)、交通区(交通刑務所)の3区を擁する、大きな矯正施設となっています。

規模が大きい一方で、収容対象が犯罪傾向の進んでいない受刑者であったり、交通事犯や、女子受刑者ということもあるのか、所内はことさらに職員の数が多いという印象もなく、管理区域内に足を踏み入れても、比較的ゆったりとした時間が流れているような感覚を覚えました。

聞けば、数年前からモデル的に業務の民間委託が行われているとのことで、今では警備や給食業務も民間に委託されているといいます。警備はいざしらず、給食はこれまでのように、受刑者が司厨を担う内部完結型の運用の方が効率的ではないか、と思いましたが、民間に委託をすることで、これまで厨房に入れても問題のない受刑者を選ぶために割いていた人選作業から職員が解放されるだけでも、大きな省力化となる、と聞かされ、「そのようなことですら、多大な責任と苦労が伴っていたのか」と、改めて、刑務官の意外な苦労を偲ぶこともできました。

そのような民間委託化が、刑務官の激務を軽減しているのかどうかは、数時間の滞在だけでは本当の所は分かりません。しかし、これまでの聞き取りによる他刑務所での職員の有給休暇の平均取得日数が数日程度だと考えると、ここ加古川刑務所では、それが10日も取れているそうです。(それでも非常に少ないことには変わりありませんが…)。

有給の消化率や、収容受刑者の質だけをもって、加古川刑務所の職員が他刑務所より苦労が少ない環境にある、と安易に断言するすることはできません。しかし少なくとも、職員と受刑者の関係が、人と人とのつながりである以上、休暇を増やせるような環境で職員の心に余裕が生まれれるのであれば、それは、刑務官と受刑者とのつながりの改善にもつながってくるはずです。それが受刑者の待遇改善にもつながるのであれば、今行われている民間委託の試行は、成功ではないかと思います。

そのような、新しい、次世代の刑務所の姿を垣間見させてくれるような、刑務所参観でした。

実施日  2018年2月9日(金)
場所 加古川刑務所
主催 アムネスティ日本 国内人権ネット

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