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人権の「今」がわかるニュース

イベント報告【イベント報告】月形刑務所参観報告

2018年7月17日(火)に月形刑務所に行ってきました。12時30分に石狩月形駅で待ち合わせ、タクシーで10分ほどのところにある刑務所に向かいました。車で直接刑務所に来た方1名を加え、総勢9名の見学となりました。

はじめに

月形町は札幌の北西にある樺戸郡というところにあり、札幌からはJR北海道札沼線に乗り1時間15分ほどで着きます。町の名前は、福岡藩藩士だった月形潔からとっています。明治政府は、士族の反乱などで捕まえた国事犯を北海道に移し、隔離するとともに、ロシアとの関係で北海道の開拓を進めるために刑務所を作るという方針をたて、明治13年に月形に適地を探させました。月形は、ニセコ、十勝なども考えたのですが、石狩川を遡って行けることと、山のトドマツを伐採すれば建築資材を調達できるし、原野を切り開けば農作物ができることを理由に、スベツブトといわれていた月形が良いと政府に進言し、そこに樺戸集治監ができました。月形は初代の典獄(刑務所長)となり地方行政などの権限も与えられたため、月形町と名付けられました。札沼線は北海道医療大学駅の先は来年には廃止されるという可能性があるので、月形までの乗車は貴重な機会となりました。

月形刑務所

月形刑務所は、東京にあった中野刑務所が廃止される際に、代わりに作る刑務所の誘致を月形町が行って昭和58年にできた男子対象の刑務所です(拘置所部分には女子も収容しています)。樺戸集治監は大正8年に廃止されていたのですが、月形町は街おこしの方策として誘致を決めました。刑務所ができれば、多数の刑務官、囚人が町に住むことになり、いろいろな面でプラスがあるとの判断だったようです。刑務所は、東京ドーム26個分の広大な敷地を有しており、いかにも広々としていました。

参観では、最初に会議室に通され、刑務所側からの説明がありました。刑務所は平成16年に増築工事がはじまり、平成19年には、当初の収容定員600名が1844名に増加していますが、最近は右下がりの傾向で現在の入所者数は891名とのことです。平成16年頃は全国の刑務所が定員を上回る過密状態だったので、それに対応するための増築だったようですが、幸いというべきか全国的に受刑者は毎年減ってきており、結果的に見ると予測を誤っていたことになります。

この刑務所は、B級すなわち犯罪傾向の進んでいる、再犯者および暴力団員の短期処遇(刑期10年未満)を目的としており、収容者の犯罪内容は、44%が覚醒剤、29%が窃盗、8%が詐欺罪とのことで、刑期は、3年未満と5年未満をあわせると81.3%となります。ここの受刑者は、平均すると、4.5回刑務所に入っているそうで、最多は詐欺で4年の有罪判決を受けた61歳の受刑者が20回目とのことでした。また、暴力団員が5割もいるので、刑務所内での喧嘩などのいざこざも多く神経を使うとのことです。年齢は、30代、40代が多く、60歳以上の受刑者は148人とのことでした。管理する職員数は現在269名で、ほかの刑務所と同様すぐそばに官舎があります。

刑務作業として、当初は牛を飼ったり、農作物を作ったりもしていたのですが、外での作業なので出せない受刑者がいたり、一般農家から民業圧迫との批判が出たりして、現在は、自給用にトマトなど一部の農作物を作るほかは、刑務所内での作業となり、金属加工、木工、洋裁(全国の刑務所の受刑者用の衣類を作る)などがされています。

改善指導としては、薬物依存症の改善指導、被害者の視点をとりいれた指導、就労支援、教科指導などがされています。教科指導は、十分な読み書きができない受刑者が希望すれば行われるものとのことでした。昨年の旭川刑務所は長期収容者ということもあり、改善指導について熱心な説明がされましたが、月形刑務所は、それほど長い刑期ではないことや、何度も刑務所に来ている者が多いことなどから、刑務所内の安全を確保して刑期を全うさせる方に神経を集中させているとの印象でした。

引き続いて、刑務所内に案内されました。事務部門から通路を通って、収容者がいる管理部門に入り50m位歩くと、突き当たりの左右に長い通路があります。長さが500mもあるのだそうで、右側が作業棟、左側が居住棟になっています。最初、大きな体育館を見た後、作業棟に行き、受刑者の刑務作業を見学しました。作業室を2つ見ましたが、中に入ると、緑色の服を着た受刑者が50人位それぞれの椅子に座って作業をしていました。

作業内容を見ると、ある人は、紙にのりを付けて大きめの紙袋を作る仕事をしていましたし、割り箸をまとめるような仕事をしている人、折り詰めの箱を組み立てる仕事をしている人などいろいろな人がいました。もっとも、刑務所側から事前に特定の人をじっと見るようなことは止めてくれと言われていたので、立ち止まることもできず細かいことは他の人に聞いてもあまり正確に記憶してはいません。

いずれにせよ、私たちが見学したところは、全体の刑務作業の中では、非常に単純な仕事でだれでもできるようなものでした。そのような単調な仕事を厳重な監視の下で毎日一日中させることもすることも大変だなと思いました。刑務所側の説明では、現在は仕事をとってくるのが大変で、収入もわずかとのことでした。風呂場は、清潔でしたが、入浴時間は15分で、脱衣場が2つあり、50人が入浴中に、つぎの50人が服を脱いで入浴の準備をするのだそうです。

居住棟では、雑居房と独居房、成績優良者の房を見学しました。現在は定員の半分しか入所者がいないこともあり、全体にゆったりしている印象でした。どちらの房にもテレビがあるのは旭川刑務所と同じです。

刑務所の事務棟の2階には、刑務所製作の品物を展示販売するコーナーがあり、昨年旭川刑務所参観のときに、月形刑務所製作の木の皮を使った筆入れを買い、手触りがいいのでもう一つ買おうと思ったのですが、あいにく、今回はカタログには載っていたものの品切れで買えませんでした。刑務所の作るものも毎年少しずつ変わっていくようです。また、壁には月形刑務所の刑務官の人達が戦隊ヒーローを演じているツキガッタレンジャーの写真があり、月形町の夏祭りなどのさいに出演するとのことでした。全体にたんたんと運営が行われているとの印象を受けました。

アムネスティ日本 札幌グループ 高見進

月形刑務所参観

実施日 2018年7月17日(火)
場所 月形刑務所
主催 アムネスティ日本 札幌グループ、国内人権ネット

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