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人権の「今」がわかるニュース

イベント報告【イベント報告】横浜少年鑑別所参観報告

2018年7月31日に実施した横浜少年鑑別所参観(参加者14名)について、主催したアムネスティ日本 国内人権ネットワークチームのメンバーがご報告いたします。

少年鑑別所は刑事事件を起こして家庭裁判所の審判を受けることになった未成年者を収容(観護)し、その健全な育成に資する検査(鑑別)を行う機関です。

横浜少年鑑別所は横浜市港南区内に所在し、横浜家庭裁判所に事件が係属する少年に対する業務(鑑別、観護)のほか、周辺地域の非行防止業務(地域援助)を行っています。現庁舎は2000年に完成した建物であり、比較的新しい印象を受けました。 収容定員は130名(内女子26名)であり、参観日現在における入所者数は男子48名、女子4名とのことでした。なお職員の定数は54名であり、詳細は非公表とのことでしたが女性の割合が他所に比べ多いようです。

入所少年の傾向については、単独非行が増える一方で集団非行(いわゆる暴走族等)が減少しているとのことです。粗暴犯や薬物事犯も減っており、表面的には大人しい少年が目立つようです。なお、「独りっ子」である少年の増加も顕著であり、施設生活に馴染みづらいきらいも強まっているとのことでした。また、貧困や虐待等が影響しているケースも少なからず見受けられるとのことです。年齢的には中学生や高校生にあたる少年が大半のようですが、希に小学生が入所するケースもあるとのことです。

鑑別所に入所する少年は家庭裁判所による処分決定を待つ身分であり、「処分未決定」の状態であることから、少年鑑別所では少年院で行われるような「矯正教育」は実施されません。もっとも、少年の健全育成に資するような日課(学習、読書、運動、講話聴講等)が設けられており、入所少年たちは規則正しい生活(7時起床21時就寝)を送りつつさまざまな活動をこなす日々を過ごし、家庭裁判所の決定(審判)を待つことになります。横浜少年鑑別所では、茶道指導等の「体験的学習」、書き初めやクリスマス会等の季節行事も行われているとのことです。

続いて施設内の様子についてお伝えします。まず少年の生活区画ですが、建物が比較的新しく全体的に清潔な雰囲気であり、装飾や備品は男子用は青系、女子用は赤系の配色が施されていました。おおよそ公立小・中学校の校舎内のような雰囲気です。

少年たちの居室はすべて一人用であり、縦長の4畳ほどのスペースでした。長い廊下沿いに入口が並び、アパートのような配置になっています。居室内は報告者の主観としてやや狭く感じられましたが、突き当り奥に広い窓があり、天井も高いため圧迫感までは生じていませんでした。居室内はトイレが窓際に設けられているほか、布団、テレビ、座卓、小型の棚が各室備えられています。なお室内にエアコンはなく、夏季は冷感シーツ、冬季はヒートテックのような衣料を貸与し、温度調節の補助に用いているとのことです。精神状態に配慮を要する少年にはぬいぐるみの貸与も行われていました。

居室のほか、入所時の検査室、浴場等も内覧させていただきました。

検査室はカーテンで仕切られたブースが並び、病院の診察室のような雰囲気でした。鑑別所に入所する少年たちは、ここで生活上必要な検査を受けます。衣服の貸与もここでされるため、各サイズが予め用意されていました。もっとも現在は私服を使用することも認められているとのことです。

浴場は6名程が同時に利用できるようになっており、シャワーが複数器並び、広い浴槽が設けられていました。

ビデオ視聴等に用いられるやや広い部屋には書架が設置されており、新刊図書や漫画、学校用教科書、キャリアガイドや資格試験テキストが揃っていました。童話絵本の用意もあり、希望者には少人数グループでの「読み聞かせ」も行われているとのことです。鑑別所に入所する少年たちは中学生以上の子がほとんどですが、希望する少年はそれなりにおり、評判も良いとのことです。

横浜少年鑑別所には屋外活動用のグラウンドも設けられていました。テニスコート2~3面ほどの広さであり、芝が敷かれていました。隣接して立地する横浜刑務所の高い塀に囲まれたかたちになっています。希望する少年はここで毎日数十分間運動を行うほか、外部人材を招いたスポーツ指導等も行われているとのことです。また、ピロティ部分もあることから雨天時も運動が実施できるとのことでした。キャッチボール等、入所する少年同士が共同で活動することもありますが、基本的に私語は交わせないとのことです(活動上必要な声の掛け合いは可能)。

生活区画は他の区画と厳重に隔てられてはいますが、見るからに厳めしい警備は施されていませんでした。

なお、食事については隣接する横浜刑務所内の調理設備で用意されたものが提供されています。一食あたりのカロリーは法律で定められていることから毎食「食べきり」であり、残すことはできてもおかわりはできないそうです。

以上の生活区画のほか、家族等との面会室、審判室を見せていただきました。

面会室は主に「観護措置」により入所中の少年とその家族との面会に用いられ、各自1日1回と制限されています。また、面会できるのは原則家族に限られています。なお、「勾留」という扱いで入所している少年もおり、その場合にはいわゆる「アクリル板越し」の面会になります。こうしたケースにも対応できるよう、可動式のアクリル板を備えた面会室も設けられていました。面会には必ず鑑別所職員が同席し、面会中の言動を記録します。

横浜少年鑑別所には本来ならば家庭裁判所に設けられる「審判室」も設置されています。通常ならば審判は家庭裁判所で行われるため、鑑別所に入所した少年は裁判所へ赴いて審判を受けますが、諸般の事情により少年の移動が難しいケースに備えて、鑑別所で審判を行えるように図ったものです(その場合、裁判官が鑑別所へ出張します)。設備は裁判所のものとまったく同じです。

このほか、鑑別所の庁舎とは別棟になっている「法務少年支援センター」も見学させていただきました。この施設は主として「地域援助」業務に用いられており、外部(地域)からの相談はセンター内の面接室で対応されます。業務内容は「個人援助」と「機関援助」に分かれ、前者は一般家庭からの相談であり、後者は児童関係の公的機関からの協力依頼に応えるものです。相談対象は未成年に限らず、成人のケースについても受け付けられており、相談者数は増加傾向にあるようでした。

以上のとおり参観報告をさせていただきます。ご案内くださった横浜少年鑑別所の職員皆さまにはとても親切にご対応いただきました。深く感謝申し上げます。

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実施日 2018年7月31日(火)
場所 横浜少年鑑別所
主催 アムネスティ日本 国内人権ネット

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