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【書評連載04】三重苦楽

三重苦楽 大畑楽歩著/アストラ ISBN:978-4-901203-43-2大畑楽歩著/アストラ ISBN:978-4-901203-43-2/(C)アストラ

歩行障害があるにもかかわらず「楽歩(ラブ)」と名付けられた大畑楽歩さんは、脳性まひのため、うまく歩いたり、話したりできないという苦労を背負って生まれてきた。しかし、彼女の自叙伝「三重苦楽」は、明るいトーンと軽快なテンポで一貫している。一日十何時間も腹ばいや高ばい、鉄棒を繰り返す過酷なリハビリ訓練「ドーマン法」の体験談、高校受験の失敗、自殺未遂。通常であれば暗く苦しいはずの過去を、特有の京都弁なまりの茶目っ気と冗談を交えて描写している。

「人生なんてちっとも楽しくないと感じたまま過ごす毎日の中で、私はふと、誰かに生かされて生きているわけでもないのに、なんでこんなに行き詰ってしまっているんだろう、と可笑しくなりました。...人生が楽しいか苦しいかなんて、...自分の気持ちで決まるものなんじゃないかと思えるようになったのです。...その瞬間から、心の底に追いやっていたやりたいことが噴水のごとくあふれ出してきたのです」

それからの彼女の人生は、文字通り挑戦の連続だ。赤いVOLVOを身体障害者用に改造してドライブへ出かけたり、時給600円のOL生活を楽しんだり、習い事でアフター5をビッシリ埋め尽くした。バイオリン、声楽、エレクトーン、英会話......。最後にはニュージーランドへの留学まで達成してしまう。バイタリティ溢れた彼女に、障がい者というレッテルは全く似合わない。彼女は恋愛をし、結婚して、出産を経験した強い母でもある。彼女は自分の力で道を切り開いていく、強い女性なのだ。

「人は苦労するためにうまれてきたんじゃない。楽しむために生まれてきたのです!」と楽歩さんは語る。「楽歩」という彼女の名前は、まさに平坦ではない人生の道を楽しく歩いてきた、彼女の人生そのものを物語っている気がする。

(執筆:アムネスティ書評委員会 M.J)

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三重苦楽―脳性まひで、母で妻

 

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