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鴻上尚史 さん(劇作家・演出家)

「暴力では、人の心はかえられない」

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アムネスティに入ったのは、7、8年前。きっかけはとくにありません。

ただ、ずっと自分の中でひっかかっていたことをやっただけ。月々1000円で、苦しんでいる人を守ることができるのであれば、安いと思った。それで、入会を決めたんです。

9.11および3.11以降、価値の多様化にともない、社会の中で対立が先鋭化しているように思えます。立場の違う相手を攻撃する「不寛容」の時代がきている。

その中で、「どっちの主張がどう」というアプローチではなく、「どんな主張であろうが、どんな立場であろうが、尊厳を踏みにじり、人間を人間らしく扱わないまま、投獄したり、虐待することに対しては抗議すべきなんだ」「どんな問題であれ、暴力で解決することは許されないんだ」という、とてもあたりまえのことを確認したいと思っている。だからアムネスティを支援しています。それが、地球全体の幸福につながると思うからです。

僕らの世代は、前の世代の学生運動の無残な失敗をみてきました。最初は対国家権力だった運動が、やがて敵対する党派同士の衝突にスライドしていった。そして、「暴力を行使することは正当だ」という風になってしまった。

暴力を用いるのは、簡単です。でも、暴力を用いたからといって、相手の意見はかわらない。拷問すれば、黙らせることはできる。でも、相手の気持ちをかえさせることはできない。だから、暴力で相手の意見をかえようというのは、とても不毛なこと。

僕がやっている演劇という芸術は、実は一番人間くさい芸術なんです。生身の人間と人間が公演のたびにぶつかりあう。当然、さまざまな意見の食い違いがでてくる。すると、「心を一つに」というのが、どれだけ嘘っぱちかわかってくる。

色々な人が、色々な意見を持つのはあたりまえのこと。だから、その多様性を認め、他人を尊重しつつ、自らを主張することが大事だと思っています。


鴻上尚史(Shoji Koukami )さん/プロフィール

1958 年愛媛県生まれ。早稲田大学法学部卒業。 在学中に劇団「第三舞台」 を旗揚げ、数々の舞台作品の作・演出を務める。95 年『スナフキンの手紙』で第39 回岸田國士戯曲賞、2010 年に戯曲集「グローブ・ジャングル」で読売文学賞を受賞。現在は「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心とする他、映画監督、小説・エッセイなど多くの作品を執筆、テレビ・ラジオへの出演など幅広く活動している。

 

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