English

  1. ホーム
  2. 人権について学ぶ
  3. 世界の人権問題(国・地域)
  4. 朝鮮民主主義人民共和国

国・地域:
朝鮮民主主義人民共和国

朝鮮民主主義人民共和国 朝鮮民主主義人民共和国

基本情報

国  名 朝鮮民主主義人民共和国
DEMOCRATIC PEOPLE’S REPUBLIC OF KOREA
国家元首 労働党委員長 金正恩(キム・ジョンウン)
政府首班 首相 朴奉珠(パク・ポンジュ)

人権をめぐる、2017年の動き

政府は、国際的な人権保護の枠組みへの参加に積極的な姿勢を示したが、国内での人権への取り組みには、実質的な進展はなかった。政治囚強制収容所では、12万人近くの人びとの拘禁が続き、収容所の環境は、国際的基準からはほど遠かった。表現の自由や移動の自由の権利は、依然として厳しく制限された。国外に派遣されている労働者は、苛酷な条件で働かされた。

背景

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は9月3日、第6回目の核実験を実施した。また、年間を通して中・長距離ミサイルを多数、打ち上げた。報道によれば、核実験場のトンネルが実験直後に崩壊して、数百人が死亡し、放射線物質が漏れ出たことが懸念された。ミサイル実験などの軍事的挑発に対して、国連から前例のない厳しい制裁を加えられた。北朝鮮と米国との間で軍事的、政治的な応酬が交わされ、緊張は一層高まった。マレーシアで2月13日、金正恩の義兄、金正男が女性2人に化学物質で殺害されたとする事件をめぐり、北朝鮮工作員の関与が浮上した。

恣意的逮捕と拘禁

12万人近くが、4カ所の政治囚収容所に拘禁されていた。国家による広範で重大な人権侵害である。被拘禁者は強制労働、虐待、拷問を受け、こうした行為の中には、人道に対する罪に相当するものもあった。これらの人権侵害に対する説明責任を果たそうとする姿勢は、なかった。収容されている人たちの多くは、国際的に犯罪と認められている行為をしたわけではなく、国家の脅威とみなされたり、その人との関わりによる「連帯責任」があるとして、拘禁された。

外国国籍者に対する逮捕と長期間拘禁も、あった。平壌科学技術大学に勤務していた米国人のトニー・キムさんとキム・ハクソンさんは、それぞれ4月22日と5月6日に、国家への敵対的な行為をしたとして逮捕された。6月、米国の外交官が、2人と面会をした。北朝鮮当局は、容疑を捜査中で、裁判所は審議をしているとした。年末の時点で、2人は拘禁されたままだった。

2016年に政治的宣伝ポスターを盗んだ罪で収監されていた米国人、オットー・ウォームビアさんが昏睡状態に陥り、6月13日に米国へ送還されたが、6日後に亡くなった。北朝鮮当局からは、同氏がなぜ昏睡状態に陥ったのかの説明はなかった。その後の監察医の報告によれば、拷問など暴行を受けた形跡はなかったが、その可能性は排除できないとした。

2015年に強制労働の終身刑の判決を受けた、カナダ人の牧師ヒョンス・リムさんは、「人道的理由」で8月9日に釈放された。

派遣労働者の権利

当局は、中国やロシアなどの外国に労働者を派遣した。その人数は減少したとみられるが、具体的な数字はわからない。中国、クウェート、ポーランド、カタール、スリランカなどは、北朝鮮労働者へのビザの更新や新規発給を停止した。国連が新たに打ち出した、北朝鮮の国外経済活動への制裁措置に対応したものだった。労働者は、給与を雇用者から直接受け取れず、本国政府経由で大幅な減額の上で受け取った。さらに本国の措置で、労働者は、外部とのやりとりや移動を厳しく制限され、働いている国の労働法規を知らされることもなかった。

派遣労働者は過剰労働を強いられ、健康や安全が保障されなかった。ロシアは、北朝鮮から少なくも2万人の労働者を受け入れていた。報道によれば、5月にモスクワで2人が呼吸困難を訴えた末に急性心不全で死亡するなど、複数の労働者が職務中に死亡した。2016年には、サンクトペテルブルグのワールドカップ・スタジアムの建設現場で働く1人が、心不全で亡くなるということがあった。労働者を雇った下請け業者は報道陣に、「多くの労働者は、数カ月間、1日も休みなく、毎日長時間労働を強いられるため、身体的に限界だ」と語った。

移動の自由

この1年間で、1,127人が韓国に移住した。この人数は、2002年以降で最も少なかった。その背景の一つとして、北朝鮮と中国の両国が、国境での監視を強化したことが考えられる。女性の中には、人身売買業者を使って中国に入った人もいたが、中国では暴力や性的虐待を受けたり、搾取されたりした。

中国で拘束され強制送還された北朝鮮の人が、前年より増加した。彼らは、帰国後、強制労働や虐待、拷問などを受けるおそれがあった。報道によれば、北朝鮮政府は中国に対して、密出国した疑いがある北朝鮮人の送還を強く求めた。

北朝鮮の人権に関する国連の特別報告者などからの情報では、韓国に入国してから北朝鮮に帰国したり、帰国を希望した事例が数件あった。国営放送の番組で「外国では、辛い経験をした」と話す人もいた。彼らの帰国経緯が定かではなく、放送番組で証言したことで、帰国は自分の意思ではなく、拉致されたのではないか、証言を強要されたのではないか、など、さまざまな憶測を呼んだ。

表現の自由

2017年も政府は、市民に対して、外部からの情報の入手や、外部とのやり取りを厳しく制限した。国外との通話や国外の放送の視聴、国際郵便などは、すべて国の管理下にあり、民間のメディアや市民団体は存在しない。ごく一部の支配階級以外の一般市民は、インターネットや国際携帯電話を利用できなかった。

逮捕や拘禁されるおそれがあっても、中国との国境地帯にいる住民は、非合法手段で入手した携帯電話で、中国のネットワークに接続し、国外と交信した。当局は、中国ネットワークの携帯通話の追跡を強化し、国境地帯にレーダー探知機を設置して交信を妨害していた。

国際社会による監視

北朝鮮は2016年12月に国連の障害者権利条約を批准、2017年、障害者の権利に関する特別報告者が、5月3日から8日まで北朝鮮を公式訪問した。これは、国連人権理事会の特別報告者による初の北朝鮮訪問だった。

国連の女性差別撤廃委員会と子どもの権利委員会は、2017年の同国の人権状況を審査した。北朝鮮は、政府報告書を各委員会に提出し、質問に対応した。その前の報告は、それぞれ14年前、9年前だった。子どもの権利委員会は、子どもたちが国外にいる親や家族と定期的に連絡できないことを指摘した。同委員会はまた、同国の子どもの権利保護法令には、16才と17才が除外されていること、ある種の子どもに過度の肉体労働が課されていることを指摘した。

アムネスティ・レポート 2017/2018より

関連アクション

関連ニュース

このページをご覧になった方へのお勧め

前へ

次へ