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国・地域:
大韓民国

大韓民国 大韓民国

基本情報

国名 大韓民国
REPUBLIC OF KOREA
国家元首 文在寅(ムン・ジェイン)(3月に朴槿恵から黄教安(代行)に交代、5月に現職に交代)
政府首班 国務総理 李洛淵(イ・ナギョン)(5月黄教安から交代)

人権をめぐる、2017年の動き

現職の大統領をめぐる汚職事件に激しい抗議が起こり、朴槿恵大統領(当時)が3月に解任された。政権交代を機に、大韓民国警察庁は、集会の自由の尊重に向けて、集会の警備方針を全面的に改める包括的改革案を打ち出した。しかし、具体的内容は明らかにされなかった。

下級裁判所が良心的兵役拒否者の権利を認める判決を出すことが増えた。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス(LGBTI)の人びとに対する差別がまん延し、特に軍隊で顕著だった。文言があいまいな国家保安法に基づく恣意的逮捕が続いた。移民労働者の業務中の死亡事故が相次ぎ、労働環境の安全に懸念が生じた。

背景

3月、憲法裁判所が、収賄と権力乱用で起訴された朴大統領(当時)を弾劾する国会決議を支持した。これを受けて5月、元人権派弁護士で民主党党首の文在寅が、大統領に選ばれた。

集会の自由

全国民主労働組合総連盟委員長のハン・サンギュンさんは、デモ参加者と警察との間の散発的衝突と、2014年と翌年のデモを組織したことに対する刑事責任を問われた。5月、最高裁判所は、懲役3年の判決を不服とする上告を退けた。国連の恣意的拘禁に関する作業部会は、同氏の起訴は、表現と集会の自由を侵害し、またその逮捕は恣意的だとの意見を出し、同氏の即時釈放を求めていた。

6月、イ・チョルソン警察庁長官は、2016年の農業政策への抗議デモ中に受けた放水銃による負傷がもとで死亡した農民活動家のペク・ナムギさんの家族に、謝罪した。家族と市民グループは、謝罪が遅れたことや警察の責任をはっきり認めなかったことを批判した。

9月、警察庁は、市民団体の要望に応じて、新設の警察改革委員会の提案を受け入れた。提案は、集会は平和的なものであり、自然発生的あるいは緊急性が高い集会は尊重されるべきだという前提に立つことを求めており、集会はすべて取り締まり対象とする従来の対応からの転換となった。これは大きな前進だが、特定の場所や時間の屋外集会の全面禁止を維持するなどの点では、修正の余地があった。また、採用された方針は、今後、国際人権法や国際基準に沿って法制化される必要があった。

良心的兵役拒否者

憲法裁判所が良心的兵役拒否の合法性を検討する一方で、少なくとも17の下級裁判所と1つの高等裁判所で(7月時点)、良心的兵役拒否者に有利な判決が出された。

5月、ソウル行政裁判所は、良心的兵役拒否者の名前、年齢、住所などの個人情報の公開を暫定的に停止することを認めた。裁判所は、兵務庁に停止命令を出すと同時に、個人情報の公開が良心的兵役拒否者に取り返しがつかない結果をもたらすとした。この判断は、兵務庁が、良心的兵役拒否者を含む個人の情報を公開していることへの対抗措置だった。

徴兵制の代替案を求める声が高まった。5月に、兵役法・予備軍法の一部を改正する2つの法案が国会に提出された。6月には、韓国人権委員会も国防部に徴兵制に代わる制度の導入を要請した。

LGBTIの人びとの権利

ゲイの男性は、徴兵中に罵声、いじめ、暴力を受けた。5月、ゲイの兵士が、軍刑法で禁じられている同性間の性行為の容疑で有罪になった。同じ法律でさらに十数人が告発された。

人権擁護団体の軍人権センターは、軍がゲイの男性を探し出すために、ゲイと分かった男性らにデートサイトアプリでの会話を強要したとして、会話のスクリーンショットを公開した。当団体によれば、軍捜査当局はゲイと疑われる50人の男性から携帯電話を取り上げ、その連絡先一覧やゲイのデートアプリの中から他のゲイの男性を特定することを強いたという。

9月、国会は、憲法裁判所裁判長に指名された金二洙(キム・イス)を否認した。同氏は、国会の公開質疑でLGTBIの権利を支持していることについて問われ、複数の宗教団体から任命に反対する声が上がった。

移住労働者の権利

移住労働者は、雇用許可制の下で依然として搾取されやすい状況にあった。ほとんど休みのない長時間労働を強いられ、低賃金、不規則な給与支払い、危険で劣悪な労働環境におかれていた。

5月に、2人のネパールからの移住労働者が、慶尚北道の養豚場で浄化槽を清掃中に窒息死した。2週間後、京畿道の養豚場でも中国とタイの労働者が浄化槽を掃除中に意識を失い死亡した。

8月には、忠清北道でネパールからの移住労働者が工場の寮で自殺した。彼が残したメモには、極度の不眠症だったにも関わらず、雇い主が仕事の配置換えや母国での治療を認めなかったと書かれていた。

恣意的逮捕と拘禁

文言があいまいな国家保安法に基づく恣意的逮捕が、続いた。オンライン図書館「労働者の本」の運営者イ・ジニョンさんは、北朝鮮に有利なオンライン情報を配信したとして国家保安法違反で告発された。7月に地裁が無罪を言い渡したが国が控訴、2018年4月に高等裁判所は地裁の判決を支持して無罪を言い渡した。

表現の自由

4月、ソウル行政裁判所は、インターネットを検閲する放送通信審議委員会が、北朝鮮のITの発展状況を記したブログ「North Korea Tech」の公開を禁止するとした決定に対して、「違法」と裁定した。同委員会は、このブログが国家保安法違反だと主張していた。同法は、過去には北朝鮮を評価したり共感を示した人を投獄する手段に利用されていた。

企業責任

複数の裁判所が、現あるいは元従業員の就労中の死や罹患に対する多国籍企業の責任を認める判断を示した。その一つが、8月に最高裁がサムスン電子に対し、元工場労働者の病気は労災であると認めた判決だった。最高裁は、高等裁判所に判決を差し戻し、企業が非協力的なため証拠が不十分なことや捜査が不適切だったことが、被害者の不利になってはならないと述べた。

アムネスティ・レポート 2017/2018より

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