ペルー : 最近発生したタクナにおける衝突を懸念する
アムネスティ・インターナショナルは、最近、ペルー各地においてデモ抗議者と警官の間で衝突が起きていることを憂慮している。とくにチリ国境に近い南部タクナでは、こうした警官隊との衝突の結果、火曜日に非常事態宣言が出された。
タクナでの衝突に関して、これまでに受け取った情報によれば、衝突で2人が死亡、60人以上が負傷した。これには、警官も含まれている。国内オンブズウーマン事務所のタクナ代表によれば、現在、16人の民間人が入院し、15人から20人の負傷警官が首都リマに搬送されたとのことだ。また、国内オンブズウーマンによれば、未成年者を含む89人が逮捕されている。ただし、現地事務所の情報によると、新たな逮捕者が出る一方、釈放される者もいるため、逮捕者の人数は常に変化しているという。
暴力行為を伴うこともある抗議行動に対処する上で当局が直面する難しさをアムネスティは理解する。同時に、警察当局には法と秩序を維持する義務があることも、アムネスティは理解している。
しかしながら、警察には人びとを保護する義務もあり、当局による武力行使は厳格に止むえない場合だけに限られ、万が一武力を行使する場合でも、国連法執行官の行動綱領に定められた範囲に留めなければならない。行動綱領はまた、法執行官は、その職業によって要求される高度の責任に従って、社会に奉仕しおよび違法行為からすべての人を保護することによって、法律によって課された義務を常に遂行しなければならないと定めている。
抗議行動への参加者には表現・集会の自由を行使する権利があることもアムネスティは認識しているが、この権利の行使は暴力に訴えることなくなされなければならない。アムネスティは、現地当局に対し、暴力を行使する抗議者たちとは反対の立場を取ることを明言するよう求める。
現在の抗議行動に対して過剰な力によらず相応な水準の力の行使に留めるよう、また、抗議者による暴力行為だけでなく、警察による過剰な力の行使があったという情報をすべて調査するよう、アムネスティは当局に要請する。
背景
紛争の発端は、8日前に議会である法案が可決されたことにある。その法案はタクナに配分されていた「カノン・ミネロ(鉱山採掘税)」からの歳入が削減され、削減分の一部を隣のモケグアに再配分するというものだった。一方モケグアでも、過去数週間にわたり、鉱物採掘税の配分比率の上昇を求める抗議行動が起きていた。この法案には、アラン・ガルシア大統領の承諾も必要とされている。
この鉱物採掘税は、ペルーを基盤とする大規模な鉱物採掘によって得られた富の一部を再配分するために設けられた税である。鉱物資源の大半は南部地域にある。ペルーの多くの地域はいまだに貧困に喘いでいるが、鉱物採掘によって得られた富の大半は首都リマに集中しているのが実情である。
アムネスティ発表国際ニュース
2008年11月6日