映画『踊れ、グローズヌイ!』より
お母さん、僕たち天国を見てきたんだ…
ロシア・チェチェン民族の伝統文化を継承する舞踏団「ダイモーク」。紛争のさなか、子どもたちは夏休みを利用して西ヨーロッパ各国へツアー公演に出かける。
廃墟となったグローズヌイでの緊張した暮らしと、公演旅行中の華やかな舞台シーンを交錯させながら、いかなる逆境が訪れようとも、絶望することなく、生き続けようとする「屈せざる民族」の気概を、伝統的な民族舞踊に託して描き上げたドキュメンタリー。
映画『踊れ、グローズヌイ!』より
ロシア占領下のチェチェン共和国首都グローズヌイ。チェチェン民族舞踊の名手、ラムザン・アフマードフは、戦火に追われ散りぢりになった子どもたちを集めて、民族舞踏団「ダイモーク(我が祖国の意)」を再結成する。
夏休み、一台のバスに全員が乗り込んで、活動の資金稼ぎを兼ねた西欧諸国への公演旅行にでかけた。このツアーにはもう一つ、「チェチェン人はテロリストではなく、普通の人間だ」ということを西側の人びとに伝える目的もあった・・・。
チェチェン共和国は、ロシア連邦南部のカフカス地方に位置し、約100万人の人口の多くがイスラム教徒です。ソ連崩壊直前の1991年11月に独立宣言をしましたが、チェチェンはロシアにとって石油パイプラインが通る重要な戦略拠点であるため、独立は実現しませんでした。1994年12月、独立阻止のためのロシア軍の侵攻をきっかけにチェチェン紛争が始まり、以来深刻な人権侵害が続いています。
ロシア軍による市民の「強制失踪」、拷問、超法規的処刑は日常茶飯事であり、さらに女性は、強かんなど性的暴力の危険にさらされています。しかし責任者が処罰されることはほとんどありません。一方で、チェチェン武装勢力による同様の人権侵害も報告されています。
作品の中で映し出される武力紛争下の人びとの生活。銃撃戦や爆撃と隣り合わせの日々。廃墟となった故郷の町並み。親を失った子どもたちの悲しみ・・・。「テロとの戦い」の名のもとに正当化されている戦争の、これが現実です。
アムネスティは2005年9月に、チェチェンを含む北カフカス地方の人権状況についての報告書を発表しました。報告書には、一般市民に対する恣意的な拘禁が多発し、拷問によって強要された「自白」が無実の罪の証拠にされていると記載されていました。最近のアムネスティのニュースリリースでも、このような状況が今も続いていることを伝えています。
世界各国の「テロとの戦い」の中で行なわれている、拷問や虐待、「強制失踪」、隔離拘禁といった人権侵害に対して、アムネスティは反対しています。
アムネスティ日本では、この作品のDVDを自主上映用に貸し出し(有料)しています。みなさまのグループでも上映会を開催してみませんか?
詳しくは、アムネスティ日本・東京事務所(天野)までご連絡ください。
連絡先:amano@amnesty.or.jp