2007年ビルマ危機

燃料費値上げをきっかけに

軍事政権に反対する僧侶たちのデモ。(C)APGraphicsBank

2007年8月15日に燃料費が最大5倍に大幅値上げされ、それにともなって物価も上昇、国民生活を直撃しました。国民の間には、かねてから軍事政権の経済失政や生活環境の悪化に不満が募っており、人びとの尊敬を集める僧侶たちが国民の声を代弁する形で抗議行動に出ました。

9月5日、中部パコクで燃料費値上げに抗議するデモを行った僧侶たちに対し兵士が威嚇発砲し、拘束の際に僧侶に暴行、負傷させました。僧侶たちは軍政に謝罪を要求し、謝罪期限が過ぎた18日から数千人規模のデモを各地で開始しました。デモは各都市に広がり、僧侶の主導のもと学生や一般市民が参加し始めます。デモの要求内容は燃料費値下げ・生活改善から、次第に政治色を強め、アウンサンスーチーとの対話や軍政そのものの退陣にまで及びました。9月24日にはヤンゴンでのデモが十万人に達しました。

ジェーン・バーキンのスーチーさんに捧げる歌

ジェーン・バーキンが、ビルマの民主化指導者アウンサンスーチーさんのためにつくった歌が収録されたCDが日本で発売されました。

アウンサンスーチーさん

ビルマの人権侵害の状況を伝えるプロモーションビデオ(アムネスティ・フランス支部制作)

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平和的なデモを暴力で制圧

2007年9月23日の日曜日、ビルマ最大の都市ヤンゴンで行われたデモには約2万人の僧侶とこれを支持する市民が参加した。(C)AP/PA Photos

これに対して軍政当局は、9月25日に夜間外出禁止令を出し、治安維持部隊による夜間の僧院の急襲を皮切りに、ヤンゴンやマンダレーなど多くの都市で暴力的な弾圧を開始しました。9月25日だけで約300人が逮捕され、数人が死亡したと報告されていますが、その後も死傷者、逮捕者は増え続けました。このように弾圧を受けながらも、デモは連日続けられています。

軍政当局はこうした反政府行動の情報や画像が流出するのを阻止しようとしていますが、市民個人のカメラ付携帯電話、街のインターネットカフェなどを通じて、デモや軍政の武力弾圧の様子は世界中の知るところとなっています。

ビルマをめぐる国際社会の動き

暴力的な弾圧の始まった9月末から、ロンドン、パリ、メルボルン、クアラルンプール、東京など、世界各地で市民による抗議行動が行われていますが、国際社会の足並みはそろっていません。

米国や欧州は、軍事政権幹部の資産を凍結し、ビルマの木材や宝石を禁輸にするなど追加制裁をしています。また、「強い遺憾」を表明した国連安全保障理事会は近隣のアジア諸国から圧力をかけるよう働きかけ、これまで内政不干渉の立場をとってきた東南アジア諸国連合(ASEAN)も、これまでにない強い言葉でビルマを非難しています。軍事政権を支援してきた日本も、日本人ジャーナリストの射殺事件を受け、約5億円のODAを凍結しました。

しかし一方で、資源等の貿易を通じ軍政と最も太いパイプを持つ中国やインド、ロシアは制裁に反対しており、ビルマをめぐる国際社会の動きは分断されています。

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