緊急ウェブアクション
支援物資を運びこむために着陸するヘリコプターを見ている人びと。ビルマのボガレで。(C) AP/PA Photo
サイクロン被災者にさらなる危機
〜支援を政治の道具にしてはならない
サイクロン「ナルギス」が、エヤワディー(イラワジ)地方を、5月2日と3日に襲いました。13万人以上が死亡、行方不明となり、2400万人が被災しました。国連はサイクロンの1カ月後、被災者の40%しか、食糧、避難所、医療等の支援を受けていないと報告しました。
5月23日にSPDC(国家平和発展評議会)タン・シュエ議長は、潘基文国連事務総長との話し合いで、国籍を問わず国際支援を受け入れることを表明しました。こういった動きは歓迎されたものの、避難したり家を失ったりした膨大な数の被災者へ、十分な支援を供給できているのかは、疑問視されています。
サイクロンで壊滅状態の村。ビルマのボガレで。(C) UNHCR
今回のサイクロン災害で、国連は55万人が仮住まいをしいられていると推計しています。 サイクロンの数日後に、家を流され、避難していた被災者を、SPDCは避難施設から強制的に立ち退かせ、家を無くしもう住めない村へと戻るように言いました。SPDCが特にターゲットにしたのは、学校と寺院に集まった被災者たちで、そこは新憲法草案の国民投票の投票所となっていたからです。5月11日、ボガレとエヤワディー地区の僧院に避難していた被災者は立ち退かされ、軍のトラックに乗せられ、あるものはマウビンに連れていかれ、あるものは自分の村に戻れと言われました。
ビルマ、サイクロン被災者。(C) UNHCR
アムネスティは、軍の兵士や地方の役人がサイクロン被災者にあてた支援物資を押収し、流用し、悪用しているという多くの報告を受けました。サイクロン後のはじめの2週間が、援助物資の横流しが最もひどかったときです。
5月9日、ヤンゴンの空港で、ビルマ政府はWFP(世界食糧計画)の高エネルギー・ビスケットを飛行機1機分押収しました。5月5日には、ミン・スウェ将軍が被災者15人を集めて会見をしました。将軍が15人に救援物資を渡す場面を撮影されましたが、その後、地元の役人が戻ってきてその物資を取り上げました。ビルマ政府は、国際援助物資を政府の倉庫に貯めこみ、さらにはビルマ国内の支援者が物資を配布しようとすると、それを妨害しました。ヤンゴンと被災地の間の出入り口に、チェックポイントを建設し、そこを通る援助物資を押収。5月23日警察と軍政と密接な関係にあるUSDA(連邦団結発展協会)が、災害支援者の大きなグループを逮捕しました。彼らが政府の指図通りに物資を差し出さなかったからです。
アムネスティは、ビルマ政府が5月24日に延期された国民投票で「はい」と投票した者にのみ援助物資を渡していることを確認しました。ボガレでも、被災者が国民投票に「はい」と投票するとより多くの支援が受けられると言われ、また軍に協力的な人にのみ支援を渡すということが行われました。
強制労働をさせられている女性 (C) Chris Robinson
5月16日、ボガレの近くのセス村で、人びとはWFPのビスケットを渡す代わりに、岩を割り土地をならし、ヘリコプターの離着陸場建設を命じられました。軍のキャンプを建設する条件で米とスープ、避難所を与えられた者もいます。
アムネスティは、災害直後だけでなくかなり後まで、被災地における市民の強制労働が行われていることに懸念をいただいています。1988年以来、アムネスティは、SPDCが、軍の建設現場や物資の運搬のために、市民を強制労働させてきたことを報告してきました。
アムネスティはまた、サイクロンの後の人道的な危機が、SPDCによるさらなる人権侵害を招くことを恐れています。アムネスティは、強制立ち退きと支援物資の配布過程における問題に関する報告を確認しました。しかしSPDCが被災地の人びとを強制労働させはじめることを恐れています。また、サイクロン災害が、大規模な破壊、多くの人びとの強制立ち退き、そしてSPDCの再建戦略の一部として強制労働が実施される状況をもたらしていることを懸念しています。
こういった懸念を表明するアクションにご協力ください。
★SPDCのタン・シュエ議長に、サイクロン被災者がすみやかに必要な食糧、避難所、医療を受け取れるように、ハガキを投函してください。
★また、ビルマ政府が被災者に援助物資と引き換えに強制労働を課していることを、できるだけ多くの人に知ってもらうために、このウェブサイトをお友達にご紹介ください(www.amnesty.or.jp?cyclone)。
★災害支援物資を必要な人びとにいき渡らせるために、引き続きの監視にご協力ください。
★サイクロン・アクションへご支援をお願いいたします。