2009年1月17日(土)・18日(日) ヤクルトホール
(C) p.s.72 productions
2008年 スイス ドキュメンタリー 83分
監督:エリック・バークラウト
作品提供: Refugee Film Festival (難民映画祭)
日本語字幕:日本映像翻訳アカデミー
プーチン大統領が54歳の誕生日を迎えた2006年10月7日、ロシア政権をもっとも厳しく批判し続けたジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤは、モスクワにある自宅のエレベーター内で暗殺された。娘に子どもが生まれることを喜んでいた矢先の悲劇だった。弱者に常に寄り添ってきた彼女はなぜ殺されたのか? 世界から見捨てられたチェチェン戦争の実態を暴き続けたからなのか? 一人の女性の人生を辿りながら、ロシア政権の闇に切り込むドキュメンタリー。
1957年フランス生まれ。俳優業を経て1991年からドキュメンタリー映画制作を開始。主な作品は『COCA -- The Dove From Chechnya』(2005)、『Der Hexer aus dem Entlebuch』(2006)など。
ロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ。彼女は1999年に始まった第二次チェチェン戦争を偶然取材するようになり、幾度となくチェチェンに潜入しては、軍事侵攻を続けるプーチン政権を痛烈に批判する記事を書いた。
「どうして私が生きているのかわからない−奇跡だわ」と語る彼女。悲しいことに、その奇跡は世界の見ている前で取り消された。2006年にモスクワの集合住宅で、彼女は暗殺されたのである。
この映画は、生前のアンナへのインタビューや、一緒に独立紙「ノーヴァヤ・ガゼータ」で働いていた同僚たち、人権活動家などへの聞き取りを通して彼女への「手紙」を編もうとする。
ソ連崩壊後、ロシアではほんのわずかの間の民主化と言論の自由があったが、94年にチェチェンへの侵攻が始まって失われ始め、2008年現在、ほぼすべてのテレビ局と新聞は政府の管理下にある。
チェチェン戦争は、南ロシア・コーカサス地方というロシア全体から見ればごく小さな場所で起こっている地域紛争だ。独立を宣言したチェチェン共和国に対してロシア軍が侵攻を開始し、ここに住んでいた100万人ほどのチェチェン人のうち20万から25万人が殺戮され、今は親ロシア派のチェチェン人、ラムザン・カディロフによる傀儡(かいらい)政権が支配している。
生きていた頃のアンナがスクリーンの中で笑っている。あのハスキーな声で議論をするのが聞こえる。ヨーロッパのどこかの公園を逍遥している姿は、戦争とロシアの現実を訴えて回り、それが「上品な拍手」に迎えられながらも何の結果にもつながらないという絶望をにじませているように思える。
人の死は徐々に忘れられていくけれど、大勢の人を代弁し、その命を救おうとした人の死は忘れられてはならないものだ。それは私たち自身もそんな人間でありうるという希望を忘れないためでもある。この映画はその希望のために作られたと言っても言い過ぎではないだろう。
なお、日本では彼女の著作は「チェチェンやめられない戦争」、「プーチニズム 報道されないロシアの現実」、「ロシアン・ダイアリー 暗殺された女性記者の取材手帳」の3冊がNHK出版から刊行されている。(大富亮/チェチェンニュース発行人)
17日(土) 15:00 上映開始予定
政権に批判的な意見を発表したり、チェチェン紛争下の人権侵害を告発したりしようとするジャーナリストや 人権活動家に対する嫌がらせ、脅迫、そして殺害が数多く報告されています。 最近では2008年8月31日、独立系ウェブサイトの主宰者であるエフロエフ氏が、 警察留置場内で殺害されるという事件が起きています。 (もっと詳しく)
オンラインアクション: ジャーナリストや人権活動家を尊重し脅迫や殺害を止める対策を、ロシア大統領に要請してください。
関連するアムネスティ最新声明 「人権活動家とジャーナリストへの暴力に対する免責に終止符を」(2008年10月6日)
中国の人権問題を国際社会に発表し、北京五輪前には中国政府が人権公約を実行するようアピールし続けた胡佳氏。 それゆえ彼は、2007年12月末に逮捕され、国家転覆扇動罪で有罪判決を受けました。 胡佳氏は、自らの意見を表明しただけで投獄された「良心の囚人」です。 (もっと詳しく)
1 Click アクション: 胡佳氏をはじめ、中国のすべての「良心の囚人」を釈放するよう要請してください。
政党活動家、NGO、農民・労働者団体の指導者、ジャーナリストなどを標的とした暗殺が深刻な問題となっています。 2001年以降、少なくとも140件の暗殺と、200件以上の強制失踪が起こっています。 2007年に暗殺事件数は減少しました。しかし、いまだに命を狙われている人びとがいます。 これまでの事件の多くで、加害者に対する処罰が行われていません。