米国:アムネスティ、フィジベルト・オへダ・リオス射殺に対する独立調査を要求

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2005年10月 3日
国・地域:米国
トピック:危機にある個人
アムネスティ・インターナショナルは本日、FBIによる、プエルトリコの活動家フィジベルト・オへダ・リオスの射殺事件に対する独立調査を要求した。

アムネスティはこの中で、リオスが死亡した状況についての不可解な問題点を挙げている。

「事件に関わった全員の整合性、透明性、公的信頼性のために、射殺事件に関する調査が最大限公明正大に行われることが確認されなければならない。あらゆる事実、状況を検討し、できるだけ早い時期に結果を公にすべきである。」アムネスティはこう述べている。

 アムネスティによると、FBIのロバート・S・ミュラー長官は司法省に射殺事件の調査を要請した。アムネスティはこれが完全で公正かつ独立した調査の基準を満たしているか否かについて、さらなる情報を要求している。

 プエルトリコの著名な独立運動活動家であるフィジベルト・オへダ・リオスは米国内での罪により指名手配されていたが、先週金曜日、FBIがリオス夫妻が隠れていた農家を包囲した後に撃たれた。FBIによると、リオスは銃撃戦の際に死亡し、捜査官も一人負傷したという。

 しかし、オヘダ・リオスの遺体が回収されたのは、翌日FBIが家屋内に入ってからであり、銃撃戦から約20時間も経過した後だった。検死の結果、オヘダ・リオスは銃撃戦の際ではなく後に出血多量で死亡したことが判明したと報告されている。

 FBIは違法行為を否定し、家屋に爆発物が仕掛けられている恐れがあったため捜査官は援護が到着するまで家屋内に入るのを待つよう指示されていたと述べてい
る。しかしオヘダ・リオスの妻(当事者以外の事件の唯一人の目撃者)は、捜査官が家屋内に入り最初の対決の際にリオスを撃ったと主張していることが報告されており、これにより事件の詳細はさらなる議論を呼んでいる。

 「FBIがフィジベルト・オヘダ・リオスを逮捕できたにもかかわらず故意に殺害したか、または放置して死に至らしめたのであれば、それは「超法規的処刑」にあたる。」アムネスティはこう述べ、この判断は事実の完全な査定なしにはなされ得ないと強調した。

 国際基準の下では、法執行官が武器を用いてよい場合は、武器以外の手段が使い尽くされたか有効でない状況で、死または重傷の危険にさらされた場合に限られている。可能であれば武器を使用するという警告を発さなければならず、暴力または武器で負傷した者には即刻手当を施さなければならない。

背景

 フィジベルト・オヘダ・リオス(72)はプエルトリコの有名な独立運動活動家であり、民族主義者団体マチェテロス(きび刈り人夫)の一員であった。1990年、米国コネティカット州のウェルズファーゴ銀行から7200万ドルを略奪した事件の裁判を待っている間に逃亡し、それ以来米国政府から追われていた。1992年に被告不在のまま略奪事件に関する罪で有罪となり、懲役55年の刑を受けていた。FBIは今年初めにオヘダ・リオスの逮捕につながる情報に対する報奨金を増額したと報告されている。

AI Index: AMR 51/157/2005
2005年9月27日

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