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ギリシャ:社会の周縁で侵害される人権 

2005年10月11日
国・地域:ギリシャ
トピック:難民と移民
アムネスティ・インターナショナルは本日発表した報告書で、以下のように語った。国境で射殺された外国人、金属製のコンテナに拘禁された庇護申請者、アテネの自宅からむりやり立ち退かせられたロマの人々――これらは人権侵害の一定パターンのいくつかの例である。

「光の当たらない場所で: 外国人と少数民族の権利はいまだにグレーゾーン」と題されたこの報告書は、差別撲滅に対するギリシャ政府の怠慢を浮き彫りにした。

アムネスティのギリシャ担当調査員オルガ・デメトリウは「庇護申請者、移民、ロマ、その他少数民族のメンバーといった社会の周縁に住んでいる人々は、あらゆる形態の差別の犠牲者に最もなりやすい。ほとんどの場合、彼、彼女らを苦しませている者はその国家の代表者たちである。」と述べた。

アムネスティの報告書では、特に国際人権法、及び庇護手続きへのアクセス、移民の拘禁、差別・虐待からの保護に関する基準を順守していない国家の不履行に焦点を当てている。

オルガ・デメトリウは「アルバニア、アフガニスタン、イラク、パキスタンその他の場所から何千人もの人々が保護を求めてギリシャに来る。そのうち何人かは国境で射殺され、その他の人々は直ちに「不法入国」で訴えられ、難民としての保護を申請する機会を与えられる間もなく拘禁される。ギリシャのある特定の地域における拘禁の条件は、国際法及び国際基準を順守していない。」と述べた。

キオス島では、当局は人々を拘禁するために金属製のコンテナを用いている。その当局は妊娠中の女性や子どもを含む人々を繰り返し拘禁し、人身売買の犠牲となった女性や子どもを保護していない。何人かの移民は警察官から虐待を受けている。

ギリシャ入国の際に逮捕・拘禁されたイラク人のY.S.さん(24歳)は、「ここに電話は無く、ここに来て以来両親とは一度も話をしていない...。両親は私が生きているのか死んでいるのか知らない...。私の母は心臓に問題があり、自分は母に電話をして今の状況を伝えることができていない。私たちは死ななかったけれど、あのとき死んでいれば良かった。」と述べた。拘禁されて最初の一ヵ月間、彼はダンボールの上で眠り、彼と同室だった人たちは肌に「虫」がわいていたと彼は主張した。

その報告はこのようなギリシャ政府の怠慢の原因となったメカニズムを立証し、周縁化された人々の権利を尊重、保護、実現する義務を果たすようギリシャ政府に対して要請している。

過去2年間に渡り、ギリシャは伝統的な移民送り出し国の側から、移民受け入れ国側へと急速に変化を遂げ、南の世界とEUとの間に境界を作った。この急速な変化は、難民の人権を侵害している慣行だけではなく、人の移動を管理している国内法においても不適切さを表面化させた。ギリシャの法的枠組みは特に1)却下された庇護申請の申請内容に対する司法審査を、難民認定手続きのどの段階においても規定していないこと、2)ルフルマンのリスクから難民申請者を明確に保護する規定を欠くこと、の2点において国際人権法及び国際基準を順守していない。

庇護を求める人は急激に増加しているが、ギリシャは最も庇護申請率が低い国に入る。同時にギリシャは最も難民の割合が低い国でもある。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によって行われた難民人口の世界規模の概観によると、ギリシャの難民認定率は今年の前期9ヵ月で0.3パーセントと、関係する148国家のうちで最も低く、保護を与えた割合も0.9パーセントと最低であった。

オルガ・デメトリウは「移民をひきつける国家へとギリシャが急速な変化を遂げたことは、ギリシャの当局が難民のニーズに背を向け、国際的な義務を無視することの口実とはなり得ない。」と述べた。

難民と同じように社会の周縁に生きているロマやその他の少数民族もまた、直接的・間接的な差別の矛先となっている。アテネ・パトラスでは、ロマの住人が強制的に自宅から立ち退かされ、再定住にかかった金銭的な負担の大部分は彼ら自身が負った。ロマはまた差別主義者による虐待のターゲットにもなっており、当局はそうした虐待を見逃す傾向があることもある。少数民族は表現・宗教・結社の自由に対する権利を持っているが、関連する国際法及び国際基準をギリシャ政府が採択していないこと、そして国内の反差別法における欠陥が原因となり、それらの権利が侵害されている。

オルガ・デメトリウは「ここ数年ギリシャ政府当局は、政府が移民や少数民族のニーズに十分に対応できていないことを認めている。このような不十分な政府の対応は、このようなギリシャ国内において攻撃の対象になりやすい集団がどのように見られ、扱われるかということに否定的なインパクトを与えている。それはまた、ギリシャの幅広い層において差別や外国人嫌悪を容認する風潮を作っている。」と述べた。

「多数派の構成員であろうと少数民族の構成員であろうと、また難民であろうと、ギリシャにいるすべての人が保障されてしかるべき基本的人権を享受しなければならない。その実現を確保するのは、ギリシャ政府の責任である。」と述べた。

(参考)光の当たらない場所で: 外国人及び少数民族の権利はいまだにグレーゾーン (AI Index: EUR 25/016/2005)
http://web.amnesty.org/library/index/engeur250162005

AI Index:EUR 25/018/2005 (Public)
2005年10月5日
 

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