ミャンマー(ビルマ):治安の名の下に、終わらない人権侵害

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2006年2月16日
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:危機にある個人
アムネスティ・インターナショナルは、ビルマ軍事政権が3人の経験豊かな反軍政政治指導者たちの拘禁を起訴も裁判もなしに延長したことを非難する。また、これら良心の囚人の即時無条件での釈放を再び要求する。

彼らの拘禁は、治安法制で規定された最大限の期間まで延長された。

アムネスティは、ビルマ軍政が治安の名の下に、平和的な政治活動を行ったというだけで人びとの基本的権利を否定し続けていることに、引き続き懸念を持っている。

ビルマ当局は本日、国民民主連盟(NLD)副議長ティンウー(78)の自宅軟禁をさらに1年延長した。反軍政側の人物でNLD選出の国会議員であるタンニェイン医師(68)とメイウィンミン(56)は、ともに1997年からずっと刑務所に入れられているが、起訴も裁判もなしにさらに1年拘禁を延長される事態に直面している。これは、それぞれ2006年1月中旬、2月上旬に出された拘禁延長命令による。

これら3人の、経験豊かなNLD指導者たちは、老齢かもしくは健康を害している状態にあり、決して自由を奪われるべきではない。ティンウーは2003年5月末のNLDメンバーへの暴力的な攻撃以来ずっと拘束されている。タンニェイン医師はNLDヤンゴン組織委員会の副議長で、メイウィンミンはNLD女性部門のトップだが、2人とも健康状態が悪く苦しんでいる。彼らはすでに、NLD書記長のアウンサンスーチーとミーティングを持とうとして7年の刑を言い渡され刑期を終了しているのである。アウンサンスーチー書記長は現在も、1975年国家保護法により起訴も裁判もなしに自宅軟禁に処されている。刑期の満了にも関わらず、当局は1975年国家保護法の下、彼らに拘禁延長命令を繰り返し出している。

アムネスティ・インターナショナルは、彼らを拘禁するために使われている1975年国家保護法が、無罪推定や公平な裁判を受ける権利を含む基本的権利を否定していることに懸念を表明している。この法律は、当局が司法制度を無視し、誰をも国家の安全を脅かす危険分子だと恣意的に規定し、起訴や裁判、もしくは自分たちに下された拘禁命令に対する異議申し立ての権利もなしに、自宅軟禁や刑務所に拘禁することを許可している。この法律の下では、軍政は最長1年の拘禁命令を課すことができ、それを最長5年まで更新することができる。この法律は、まったく平和的に政治意見を述べただけの人間を違法に恣意的に拘禁し、その拘禁期間を延長することに使われ続けている。

アムネスティ・インターナショナルは、1975年国家保護法を含む国家治安法制の適用を中止し、ビルマで平和的に政治活動をする人びとを罰したり刑務所に入れることをやめるよう繰り返し要求する。ビルマでは、1,150人の政治囚が刑務所に収容されている。


アムネスティ発表国際ニュース
(2006年2月13日)
AI Index: ASA 16/002/2006 (Public)
News Service No: 038

ビルマ(ミャンマー)調整チーム翻訳

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