ほぼ3人に1人が銃の被害に遭っている

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2006年6月21日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:武器貿易条約
アムネスティ・インターナショナル、オックスファム・インターナショナルおよび国際小型武器行動ネットワーク(IANSA)による「コントロール・アームズ」キャンペーンによる新しい国際調査

本日発表された、世界6か国の人びとを対象におこなわれた調査によると、平均して被調査者の30%が銃犯罪の被害者であり、もしくは最近5年間に被害に遭った人を知っているという結果がでた。ブラジル、グアテマラ、南アフリカではそれらの割合が半数以上にのぼる。

ブラジル、グアテマラ、カナダ、南アフリカ、英国、インドの6か国での調査により、多くの人びとが、武器による暴力に日々怯えて暮らしていることが明らかになった。6か国のおよそ3人に2人、すなわち62%の人が「武器による暴力の被害に遭うこと」を心配している。この割合はブラジルでは94%にも上り、グアテマラでは88%、南アフリカでは72%となっている。カナダや英国といった国でさえ、3人に1人(カナダ39%、英国36%)が、武器による暴力の被害に遭うことを恐れている。

先月おこなわれたこの調査によれば、人びとの不安は、武器が規制なきままに拡散していることが原因であることを示している。被調査者の62%が、自分の国では「銃があまりにも簡単に手に入る」と回答する一方で、63%の人が銃の入手しやすさが不安の主な理由だと述べている。

「コントロール・アームズ」調査は、ニューヨークで6月26日(月)から始まる各国政府が出席する国連小型武器会議のちょうど1週間前に、世界がほぼ一致団結して、さらに厳しい武器規制が国際規模で行われることを支持していることを明らかにした。「コントロール・アームズ」キャンペーンは各国政府に対し、武器の移転を規制する国際的な原則を制定し、武器が人権を侵害する者の手に渡らないようにするよう求めている。毎年140億個もの銃弾が製造される一方で、政府の武器輸出規制に関する包括的な国際基準はいまだ存在しない。

「政府が武器の拡散を止めるための行動を起こさないかぎり、武器は暴力的な紛争や国家の弾圧、犯罪や家庭内暴力を煽り続けるだろう」と、ジェレミー・ホッブス・オクスファム・インターナショナル事務局長は語った。「毎年、人類を2回殺すのに充分な数の140億個もの銃弾が製造されています。もうそろそろ、政府が武器輸出の規制に合意してもよいのではないでしょうか?」

回答者の87%が、「武器の輸出先に関する厳しい国際規模の規制」が必要と回答し、国別では、ブラジルで93%、グアテマラで91%、カナダとインドで90%、英国で86%、南アフリカで73%の人が規制の強化に同意している。

「武器の拡散により、何百万もの人びとが、武器による暴力の被害者になるのではないかと日々怯えて暮らしている、ということが私たちの調査により明らかになりました」とアムネスティのアイリーン・カーン事務総長は語った。「来週ニューヨークに集まる各国政府は、さらに厳しい国際武器規制と条約制定を求める機運が高まっていることを認めなくてはなりません」

また、89%強の人が、自分の国に流入する武器に対するより良い規制を支持していることが明らかになった。各国の支持率は、ブラジル96%、グアテマラ94%、インド93%、カナダ92%、英国85%、南アフリカ73%となっている。

グアテマラと南アフリカの回答者の約3分の1が、家族が銃犯罪の被害者であると述べた(グアテマラ30%、南アフリカ28%)。英国とカナダでは、10人中6人が自分の国ではあまりにも簡単に銃が手に入ると感じており、南アフリカでは10人中5人以上の人が同様に感じている。

「この調査は、先進国と途上国の双方の人びとが、自分自身と他国の人びとを守るためにより厳しい武器規制が必要だと感じているという、草の根の証拠を示しています」と、レベッカ・ピータースIANSA事務局長は語った。「3人に2人の人が武器による暴力の被害者になるのではないかと恐れている今、国際社会ははっきりと行動を求めています。来週、各国政府が国連に集まりますが、武器がこれ以上誤った者の手に渡らないよう、厳しい武器規制に合意する必要があるのです」。

調査によると、ブラジルでは91%の人が自国で銃があまりにも簡単に手に入ると感じており、同数の人が銃の拡散が不安の原因であると答えている。グアテマラでは77%の人が銃の入手はあまりにも簡単であるとし、87%の人が、銃の入手し易さが不安の原因であると答えた。


「コントロール・アームズ」キャンペーンは、アムネスティ・インターナショナル、オックスファム・インターナショナル、小型武器行動ネットワーク(IANSA)の共同キャンペーンである。キャンペーンは、武器の拡散と濫用を減らし、各国政府が武器移転を規制する国際原則と拘束力のある武器貿易条約を制定することを目的としている。20億近い人が深刻な貧困化で生活し、その問題は、銃やその他の武器の規制なき拡散によって悪化している。武器の拡散はまた、人権侵害と紛争の激化を助長している。世界の指導者たちは、今こそ行動を起こすべきである。武器は、1日に1000人以上の男性、女性、子どもたちを殺している。何千もの人びとが負傷し、拷問を受け、家を追われている。

今日、世界には約6億4000万もの小型武器と軽兵器が存在する。800万以上が毎日製造されている。

調査は、Ipsos MORIが実施した。2006年4月と5月に、それぞれの国で平均1000人に対して聞き取り調査した。ブラジル、グアテマラ、南アフリカ、英国、カナダでは年齢、性別、地域別割当を適用した。インドでは無作為抽出方式を採用し、そのデータは国情に合わせて加重した。サンプルの割合は、95%の信頼区間でプラス・マイナス3%の範囲で正確だと確信している。

コントロール・アームズ・キャンペーンは:
http://www.controlarms.jp/campaign/index.php

アムネスティ国際ニュース
(2006年6月19日)
AI Index: POL 30/020/2006