フィリピン:アロヨ大統領は政治的殺害調査委員会の信憑性を保証しなければならない

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2006年9月21日
国・地域:フィリピン
トピック:危機にある個人
[ロンドン]本日のグロリア・アロヨ大統領との会談で、アムネスティ・インターナショナルのアイリーン・カーン事務総長は、政治的殺害についてのメロ委員会の調査が透明性を保って独立して行なわれ、説明責任を果たし犠牲者の正義につながるものとするよう要請した。この会談は、アムネスティが政治的殺害に関する報告書を8月に発表したことに追随するものである。

率直で建設的な話し合いの中で、政治的殺害の傾向を調査するため、メロ委員会を設置するというアロヨ大統領の決定を、カーン事務総長は歓迎した。また、政治的殺害に終止符を打ち司法行政を強化するために、大統領が今年6月に死刑を廃止した時と同様の決然とした指導力を発揮するよう要請した。

カーン事務総長は、調査委員会の国際的ガイドラインを記した摘要書を大統領に手渡した。事務総長は、信頼と各方面からの支持を得て、独立した業務を効果的に遂行するためにメロ委員会がこれらの基準を遵守する必要性に言及した。

「メロ委員会は独立したものでなくてはならず、政府から独立したものとみなされるものでなくてはならない。これを実現するためには、委員会は必要に応じ独自の調査員を配置するべきである」と、カーン事務総長は述べた。

「メロ委員会は、被害者への正義を最優先事項とし、被害者中心の手段を取るべきである」

「脅迫と暴力は、未だに非常に現実的な問題であり、命の危険があれば目撃者は名乗り出てこない。政府は目撃者を実効的に保護する必要がある。被害者の家族、目撃者、その他の関係者は保護されなければいけない」と、事務総長は述べた。

「調査委員会の真価は、その提言が持続的な変化へとつながるか否かにある。メロ委員会は、法律や制度的慣習の改革や司法制度を強化など、過去の人権侵害が繰り返されることを防止する改革を提言するべきである」と、事務総長は結んだ。

「メロ委員会は政治的殺害を一気に止める強気の提言を避けてはならない。そうすれば、あらゆる方面が人権を尊重した上で、政府と共産主義者との和平プロセスが再開する条件が整うだろう」

■摘要書は下記でご覧いただけます。
http://web.amnesty.org/library/index/engasa350102006

■政治的殺害に関する報告書は下記でご覧いただけます。
 http://web.amnesty.org/library/index/engasa350062006

AI Index: ASA 35/011/2006
2006年9月14日

 

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