- 2007年1月19日
- 国・地域:トルコ
- トピック:危機にある個人
アゴス新聞の編集長で有力日刊誌であるザマンの執筆者でもあるフラント・ディンク氏は、本日、イスタンブールのアゴス事務所の外で3発の銃撃を受けたという。フラント・ディンク氏(53才)は、人権の普遍性を熱心に訴え、人権活動家やジャーナリスト、有識者とともに多くの演壇に立った。フラント・ディンク氏は、アルメニア人のアイデンティティや1915年のアルメニア人大虐殺の歴史に関するトルコの公式見解に対して、公にかつ批判的に議論しようとすることでよく知られており、広く民主化や人権に関する記事も執筆していた。
「トルコには言論の自由を抑圧する厳しい法律がまだたくさんある。これらの法律は、政府上層部の公式声明や、批判的な討論や反対意見を非難する州や軍当局者と相まって、激しい攻撃が起きるという風潮を創っている」とアムネスティの欧州・中央アジア部の二コラ・ダックワース部長は述べた。
昨年、フラント・ディンク氏は、刑法第301条の国家侮辱罪で三度目の起訴をされた。アムネスティは、同規定の廃止を求めており、彼を起訴したのは、彼が反対意見を平和的に表現することに対する、司法による嫌がらせであるとして、非難した。フラント・ディンク氏は、2005年10月に国家侮辱罪で有罪となり、2006年7月に6カ月の拘禁刑の執行猶予判決を受けていた。
アムネスティはトルコ当局に、あらゆる形態の不寛容を非難し、トルコ共和国の全市民に権利を保障し、フラント・ディンク氏の殺害を徹底して公平に調査し、調査の結果を公表し、公正な裁判の国際基準に従って被疑者を裁くよう求めている。
301条に関するアムネスティ・インターナショナルの見解について、より詳しい情報はこちらをご覧ください。
301条:How the law on "denigrating Turkishness" is an insult to free expression (AI Index: EUR 44/003/2006)
AI Index:EUR 44/001/2007(Public)
19 January 2007
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