ベトナム:インターネット上で活動していた司祭が8年の刑に

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2007年4月 5日
国・地域:ベトナム
トピック:危機にある個人
60歳のカトリック司祭で、民主的変革を求めるインターネット署名の準備を手伝ったグウェン・ヴァン・リー神父は、本日、国家に反対する「宣伝を指揮した」罪で8年の刑を言い渡された。

神父の共犯者とされた4人の仲間-グウェン・ホン、グウェン・ビン・タン、ホアン・ティ・アン・ダオ、レ・ティ・ハン-もまた、刑を言い渡された。

これに対し、アムネスティのアジア太平洋部ティム・パリット副部長は、以下のように述べた。

「リー神父とその仲間に対する政治的動機に基づいた起訴は、彼らを黙らせ、政府批判者を追い払おうとする、あからさまな企てだ」

「リー神父が良心の囚人となったのは、今回の判決により、この20年の間で4回目である。これは、ベトナム当局が、意見が異なる者に対してより広範に取り締まりを行なっていることを示している。去年の11月にアジア太平洋経済協力(APEC)の会合を同国が開催して以来、そうした傾向が強まっている」

「リー神父と仲間たちは、一連の取り締まりによって裁判にかけられた最初の人びとである。アムネスティは、今回の例が他の人びとにも及ぶのではないかと危惧している」

「ベトナム当局は、リー神父とグウェン・ホン他の3人を直ちに釈放し、政府を批判する者への嫌がらせや逮捕を止めなければならない」。

背景

リー神父は、宗教に関する政府の政策を平和的な方法で批判し、1970年代後半から人権のより一層の尊重を提唱したために、15年近くを刑務所で過ごした。

神父はブロック8406の創設者の一人である。ブロック8406が2006年4月に開始したオンライン署名では、ベトナムにおける平和的な政治変革と人権尊重を呼びかける118人の民主活動家が署名した。署名は瞬く間に賛同者を増やし、インターネットを基盤とした民主化運動の効果的な創出を印象付けた。

2006年11月にハノイにおいて国際的なAPEC首脳会議が開催されて以来、ベトナム当局は、反体制派を逮捕したり、嫌がらせをしたりするなどして意見の異なる者に対する取り締まりを徐々に強化していた。ブロック8406と関係がある人は、民主化を求める政党や過去12カ月間の出版物に関連するとされた人びととともに標的にされた。

アムネスティ発表国際ニュース
AI Index: ASA 41/003/2007 (Public)
2007年3月30日

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