武器貿易条約(ATT)を求める世界各地の声

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2007年4月23日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:
トピック:武器貿易条約
ヘレン・ミレン、リベリア大統領、メアリー・ロビンソン、ジャーナリストら、命を救うための武器貿易条約(ATT)を求める:日本でも、アメリカなど国連常任理事国にたいするアクション開始!

4月16日に米ヴァージニア工科大学で死者33人を出した銃乱射事件、そして日本でも長崎市長が不法に所持されていた銃によって襲撃され死亡した事件など、世界の各地で銃をはじめとする武器による被害が後を絶ちません。

4月23日、通常兵器(重兵器や小型武器等)貿易の規制を求める「コントロール・アームズ」キャンペーンを支持するオスカー女優のヘレン・ミレン、リベリア共和国大統領のエレン・ジョンソン=サーリーフ、元アイルランド共和国大統領であり元国連人権問題担当高等弁務官のメアリー・ロビンソンは、20人の著名なジャーナリストとともに、国際人権法および国際人道法に基づいた厳格な武器貿易条約(ATT)を達成し、武器移転が暴力や紛争を助長しないように規制することを、各国政府に求めました。

昨年の国連総会での決議を受け、現在、国連においてATTに関する協議が行われています。各国は、今月末までにATTの実現可能性、範囲、構成要素案についての意見書を国連事務総長に提出することになっています。提出期限が一週間後に迫った今日、オーストラリアやフィンランドなどの国々は意見書を提出する予定です。

ATTは、まだ作られていません。もし、各国が提出する意見書のなかで、紛争、貧困や人権侵害を助長するような場合の武器移転を禁止することを明確に求めなければ、最終的に作られるATTは命を救うものにはならないことが危惧されています。厳格な条約を作ることを、アメリカ合衆国のようにATTに懐疑的な国々が阻止しようとすることも懸念されています。

こうした状況のなか、日本でも「コントロール・アームズ」日本キャンペーンが、国際法に基づいた厳格なATTの形成を支持することをアメリカ合衆国などの国連常任理事国に求める「折り鶴アクション」を開始しました。

≪ヘレン・ミレン≫
「ケニアからブラジル、スリランカまで、これまでになく武器は拡散しており、より簡単に安価に手に入れることができます。2006年12月、国際的な武器貿易条約(ATT)を形成するためのプロセスを開始することを、世界の国々の80パーセントが支持しました。すべての政府には、実効性のあるATTを実現する責任があります。」

≪エレン・ジョンソン=サーリーフ≫
「まさに今が、重大な人権侵害、紛争、貧困を助長させるような武器移転を阻止する機会です。現在そして将来において、私たちの子どもたちや私たち自身のための確固たる平和をリベリアや他の国々が築くための機会を奪わないように、世界の国々、武器製造者、武器の仲買や貿易に関わる人々に求めます。」

≪メアリー・ロビンソン≫
「無責任な武器貿易はグローバルな恐怖であり、武器貿易条約(ATT)というグローバルな解決策が必要です。世界中で武器を使った暴力にさらされている何百万もの人々のために、各国政府は厳格な条約を作らなければなりません。」

4月23日は、「コントロール・アームズ」キャンペーンにとって、厳格な条約を作ることを各国政府に求めるためのグローバル・アクションの日です。ATTを求める人々によるイベントが世界の各地で行われています。例えば、カナダやマリ、タンザニアなどでは「人々の協議」が行われています。この協議は、国連での公式な協議と並行して「コントロール・アームズ」キャンペーンによって約60カ国で行われる予定です。一般の人々が条約に何を求めているかを話しあうための協議の結果は今年の10月にニューヨークの国連本部において発表されます。

この日に合わせて、これまで戦場から数々の報道をしてきたジャーナリストらが共同声明を発表しました。クリスチャン・アマンプール、ジョン・リー・アンダーソン、マーティン・ベル、ジャニン・ディ・ジョバンニ、セバスチャン ユンガー、ドン・マッカラン、ポール・モレイラ、ソリオス・サムラ、チャールズ・ウィーラーといったジャーナリストや写真家らは、この声明のなかで「武器を突きつけられて強かんされる女性、戦車の下敷きになる若者、無理やり兵士にされる子ども。全ての国は、彼らが供給した武器によって助長される一つ一つの悲劇に責任を負う時が来ている。」と述べています。

武器規制の願いをこめて・・・。日本でも「折り鶴アクション」開始
2007年4月、「コントロール・アームズ」日本キャンペーンは、ATTを求める声を国連の常任理事国5カ国(アメリカ合衆国、イギリス、中国、フランス、ロシア)に伝えるために、折り鶴を集めて5カ国の政府に渡すことにしました。求めていることは、【1】これまでATTへの支持を表明していない国は、国連でのATTのプロセスを支持すること、【2】人権が守られ、国際人道法が守られるような、国際法に沿ったATTを形成すること、の2つです。

目標は5000羽(1000羽×5カ国)。武器による被害をなくしたい。平和や祈願のシンボルの鶴に思いをこめた折り鶴は、2007年12月10日の国際人権デーに5カ国の政府に渡します。折り鶴を常任理事国に渡すことにした理由、参加方法、折り鶴の送り先や送付期限などは、日本キャンペーンのウェブサイトをご覧ください。www.ControlArms.jp

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2007年4月23日
「コントロール・アームズ」日本キャンペーン プレス・リリース