スーダン: 平和維持部隊受け入れの合意で進展を見るも課題は山積

  1. ホーム
  2. ニュースリリース
  3. スーダン: 平和維持部隊受け入れの合意で進展を見るも課題は山積
2007年6月19日
国・地域:スーダン
トピック:地域紛争
アフリカ連合(AU)と国連による合同平和維持部隊の受け入れにスーダンが合意したことは、進むべき道への第一歩である。しかし、ダルフールで戦闘を続ける勢力による人権侵害や人道法に反する行為から民間人を確実に守るために、なすべきことはまだ多くある。

今回の合意は好ましい展開ではあるが、書面上だけでダルフールの人びとを守れるとはアムネスティ・インターナショナルは考えていない。紛争に加担するすべての勢力は、戦争の武器としての強かん、拷問、略奪、集団強制移住などを含む、民間人への攻撃を直ちに止めなければならない。

アムネスティは、ジャンジャウィド民兵の武装解除をはじめとして、紛争の被害に遭ったすべての民間人を保護する手段を講じるよう、スーダン政府に要請する。合意がなされた今、スーダン政府がアフリカ連合/国連の合同平和維持部隊をダルフールに迅速に配備することを確実に進めるよう、何よりも求める。

アムネスティは、国連、アフリカ連合およびスーダン政府に対し、合同平和維持部隊の配備に関する明確な実施予定を決めることを要請する。さらに国連安全保障理事会とアフリカ連合平和安全保障理事会に対して、合同部隊が民間人を守るための強い権限とそれに要する財源と人的資源を得られるよう、必要な決議をできるだけ早急に採択することを求める。特に合同部隊に以下を保証する決議が必要である。

・国際人権および人道法に完全に則ったものである限り、あらゆる必要な手段を用いて、危険にさらされている民間人を有効かつ積極的に保護する能力
・強かんその他の性的暴力を含むあらゆる人権侵害を監視し、調査し、公表する権限と能力を備えた強力な人権担当部署
・特に国際刑事裁判所(ICC)が召喚状を出しているスーダン人被疑者の逮捕と降伏に関してICCに協力する責務
・政府の支援を受けたジャンジャウィドおよび反政府武装勢力の武装解除と動員解除を監督する権限と能力
・ジャンジャウィドと反政府武装勢力が国境を越えてチャドに侵入することを防止するために、強力かつ有効な手段を講じる権限と、それに必要な人的・物的資源

背景
ダルフールでの4年間にわたる紛争で20万人以上が死亡し、200万人以上が家を追われた。2007年も、スーダン政府の支援を受けたジャンジャウィドは、スーダン政府軍とともに、戦争の武器として殺人、強かん、略奪、集団強制移住を続けている。反政府武装勢力も、重大な人権侵害と国際人道法に違反する行為を続けている。

2006年11月30日、アフリカ連合平和安全保障理事会は国連の支持を得て、アフリカ連合/国連の合同作戦を含む3段階計画を採択した。スーダン政府はこれを了承したにもかかわらず、今回伝えられている合同部隊派遣の合意まで、合同部隊の配備を執拗に阻止してきた。

AI Index: AFR 54/033/2007
2007年6月19日

関連ニュースリリース