アフガニスタン:人質全員の即時釈放を要請

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2007年8月 2日
国・地域:アフガニスタン
トピック:危機にある個人
アムネスティ・インターナショナルは、アフガニスタン人および外国人の人質全員を即時、無条件に釈放するようタリバンに直接要請した。韓国人人質の置かれている絶望的な状況に言及し、アムネスティは、タリバンに対し国際法を遵守するとした先だっての公約を守るよう求めた。

このような直接の要請は、同国内でタリバンによる誘拐や人質を取る行為、人質の殺害などが増加していることを受けたものだ。こうした事件には、最近のアフガン政府職員4人が殺害された事件や韓国人ボランティア2人がタリバンによる拘束中に殺害された事件も含まれる。

「人質を取る行為は国際人道法に著しく違反する行為だ。この原則にはいかなる例外も存在せず、違反行為に対するいかなる正当化も認められない。人質を取り、殺害する行為は戦争犯罪であり、加害者は裁かれなくてはならない」と、アムネスティ事務総長アイリーン・カーンは述べた。

これら最近の違反行為は、民間人を標的とすることや囚人の虐待をしないとした、先だってのタリバンの公約と真正面から矛盾する。タリバンの広報官クアリ・ユセフ・アーマディは水曜、アムネスティに対し、「我々はこの問題(韓国人人質事件)を納得の行く形で解決するよう努力している」と話したが、国際法の要請に従い、彼らに危害を加えず即時に釈放することには同意しなかった。

アーマディは、「我々は国際人道法と対立したりしないよう、またシャリア法と合致する限りにおいて人権を損ねるような行動をしないよう努力している」とアムネスティに伝えた。アムネスティは、国際法よりも上位に位置する法制度は存在しないことを強調した。また、先週発表されたタリバン高官マンスール・ダドゥラの「誘拐というやり方は非常にうまくいっているので、ムジャヒディンすべてに対し、国籍を問わず外国人を見つけ次第誘拐するよう命じている。そして、同様の取引をするだろう」との声明を非常に懸念している。

ここ数週間、タリバンによる誘拐が続いている。

・ 2007年7月24日、郡裁判所職員4人がガズニ州アンダール地区を移動中に誘拐された。彼らの遺体はアフガン当局によって水曜日に発見された。
・ 7月19日(木)、韓国人23人がガズニ州を移動していたところをタリバンに誘拐され人質となった。うち2人が殺害され、女性18人、男性3人は拘束されたままだ。タリバンは、さらに人質を殺害すると脅迫している。
・ 7月18日、アフガン人5人とドイツ人2人がワルダック州で誘拐された。アフガン人1人は逃亡に成功し、ドイツ人1人が拘束中に死亡した。残りの人びとはいまだに拘束されたままで、もう一人のドイツ人は健康状態が悪化していると思われる。
・ 7月17日、パクティカ州の郡の教育関係当局者がガズニ州アンダール地区を移動中に誘拐された。その後の彼の行方や生死は不明である。

1949年のジュネーブ四条約に共通する第3条は、アフガニスタンで起きている国内武力紛争に関わるすべての当事者を法的に拘束するもので、タリバンも例外ではない。共通第3条によれば、人質を取る行為は、「あらゆる種類の殺人」と同様いかなる場合でも禁止されており、処刑の形を取った被拘禁者の殺害もこの中に含まれる。

この一連の誘拐は、2007年3月にイタリア人ジャーナリスト、ダニエレ・マストロジャコモ、アフガン人通訳アジマル・ナクシュバンディ、アフガン人運転手サイード・アガの誘拐事件に続くものだ。マストロジャコモは解放されたが、アジマル、サイードの2人はその後、同勢力によって殺害された。

アムネスティは、タリバン、その他の武装勢力、そしてアフガニスタンで武力紛争に関わる全当事者に対して、国際法上の義務をいかなる場合でも厳密に遵守するよう要請する。「いかなる不平不満、政治思想、宗教的信念であっても、こうした人権侵害行為を正当化も容認もしない。すべての人質はこれ以上傷つけられることなく無条件に即時釈放されるべきだ」と、アイリーン・カーンは述べた。

AI Index: ASA 11/010/2007
2007年8月2日

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