スーダン:AU部隊への攻撃でダルフールの危険が増大

  1. ホーム
  2. ニュースリリース
  3. スーダン:AU部隊への攻撃でダルフールの危険が増大
2007年10月 1日
国・地域:スーダン
トピック:地域紛争
今週末、ダルフール北部に駐屯するアフリカ連合(AU)の平和維持部隊が攻撃を受けた。この攻撃によって、民間人の生命がさらなる危険にさらされ、ダルフールの平和維持活動が壊滅的打撃を受けており、アムネスティ・インターナショナルは、この攻撃を厳しく非難する。

「ダルフールのAU部隊は、補給線が伸び切り装備も十分ではない」とアムネスティのアフリカ部タワンダ・オンドラ副部長は述べた。「今回の攻撃によって判明したことは、民間人の保護と安全確保という責務を果たすために、スーダン駐在のAU部隊が十分な資源を確保することが急務であることだ。また、AUと国連の混合部隊(UNAMID)のダルフールへの早急な配備が必要である」。

「アフリカ連合スーダン派遣団(AMIS)部隊への今回の攻撃によって、絶え間ない恐怖の中で生活するダルフールの民間人の生命、安全、生活がさらに危機的状況に陥った。ダルフールの人びとは、4年以上にわたって軍事攻撃にさらされているが、こうした軍事攻撃は、スーダン政府および政府が支援する武装勢力だけでなく、細分化が止まらない反政府武装グループその他の武装勢力によって行われている」。

「UNAMID結成の目途はいまだに立っていないが、これを確実にする必要がある。また今回攻撃したグループは、自らの所在を早急に明らかにしなければならない」とオンドラ副部長は述べた。

アムネスティはまた、アフリカ連合および国連によって、完全かつ独立性のある透明な調査が行われ、その結果が公表されることを求める。

反政府系、新政府系その他の武装勢力を始めとする、ダルフールにおける紛争に関わるすべての当事者およびスーダン政府は、今回の攻撃に対する調査に全面的に協力しなければならない」とオンドラ副部長は述べた。

ダルフール北部のアスカニタに駐屯しているAMIS駐屯地に対する9 月29日の攻撃を行なった武装勢力はいまだ判明していないが、この地域で軍事行動を起こしている武装勢力の分派が実行したことを示唆する複数の情報が伝えられている。

今回の攻撃により、平和維持部隊の兵士10名が殺害され、8名が負傷、さらに平和維持部隊の停戦監視団3名と警官1名を含む約40名が行方不明となっている。

背景:
2004年4月、スーダン政府と反政府武装勢力の間で停戦が合意され、この停戦協定を維持するために、2004年よりダルフールにアフリカ連合スーダン派遣団(AMIS)が駐屯している。AMISには7,000名以上の兵士がいるとされているが、資金や装備が不足し、兵力不足も深刻である。現在のダルフールのAMIS兵士は6,000名を下回っている。

AMISへの攻撃は今回が初めてではないが、今回の攻撃はこれまでにない深刻なものである。これまでの攻撃は、反政府武装勢力の一部による待ち伏せ攻撃と見られるものがほとんどであった。

AI Index:AFR 54/060/2007
2007年10月1日

 

関連ニュースリリース