ミャンマー(ビルマ):新たな証拠が示す多数の拘禁、人質、拘禁中の死亡および失踪

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2007年11月 9日
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:危機にある個人
アムネスティ・インターナショナルは本日、今年9月の弾圧以来なおも続いている深刻な人権侵害の概要をまとめた報告書をビルマ(ミャンマー)軍政当局に送った。

この報告は、来週予定されているパウロ・セルジオ・ピニェイロ国連特別報告者の同国訪問に先立って行なわれたものである。

「恣意的拘禁、人質行為、拘禁中の殴打その他の拷問、強制失踪などが広範に行なわれていることは、『平常に戻った』というビルマ軍政の発表が真実でないことを明白に示している」。アムネスティのアジア太平洋部長キャサリン・バーバーはこのように述べた。

「統治権への内政干渉であるなどと抗議する前に、ビルマ軍政は、国連に『総力をあげ協力する』とした自らの公約をまっとうすべきである。具体的には、ピニェエイロ特別報告者の訪問を無条件で受け入れることと、国連の人権理事会及び安全保障理事会が示した人権状況の改善を全項目実現することである」。

アムネスティの主な関心事項は、次の各点である。
・約700人の政治囚が未だ投獄されており、そのうち15名に9年半の刑がと宣告されていること。
・自首を促すために、囚人の家族や友人を「人質」として取る、という方法が公然と行なわれていること。
・激しい殴打などの拷問のせいで、獄中での死亡が複数件発生していること。
・十分な水や食糧、衛生施設がない、「犬小屋」と呼ばれる独房へ拘禁するなど、驚くべき拘禁状況の酷さ。
・9月の弾圧以降、強制失踪が多々あり、その行方について当局からの回答がない人びとが少なくとも72名いること。
・弾圧で亡くなった市民の数を当局が回答していないこと。
・弾圧の際に軍用トラックの荷台や橋の上に実弾を装填した射撃手が抗議行動の参加者を狙っていたという証拠があり、少なくとも学生2名がそのために死亡、そのほか多数の重傷者が出たこと。
・9月のデモ行進では救急車が路上の負傷者を救助することを妨げられ、私立の医療機関はデモ参加者の負傷を手当てしないようにと命令されていたこと。

アムネスティはビルマ軍政に対し、すべての死亡者および失踪者を明らかにするよう求める。またビルマ軍政は、9月の弾圧以来のすべての被拘禁者と実刑判決を受けた人びとのリストを国連特別報告者に提出し、また、特別報告者が国中のすべての拘禁施設と火葬場を訪問できるよう取り計らうべきである。

*報告書の全文は、次のサイトでご覧になれます。(英語)
http://web.amnesty.org/library/Index/ENGASA160372007

*9月25日の僧院学校への襲撃を目撃していた僧侶たちの証言を、アムネスティのホームページから音声でお聴きいただけます。 www.amnesty.org

アムネスティ発表国際ニュース
ASA 16/038/2007
2007年11月9日

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