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スーダン:スーダン政府高官に対して逮捕状の可能性

2008年7月11日
国・地域:スーダン
トピック:地域紛争
1.7月14日(月)に何が起こるのか
過去5年間ダルフールで行われた犯罪の証拠を国際刑事裁判所(ICC)のルイス・モレノオカンポ検察官がICC裁判部に提出すると思われる。

そして、こられの犯罪に責任があるとされる複数の人間に対し、1件以上の逮捕状の発行を裁判部に請求するであろう。

2008年6月、ICC検察官は国連安全保障理事会(安保理)に次のように報告した。「このような犯罪をこれほどの規模で、5年以上にもわたってダルフール全土で実行するには、スーダンの国家機構すべてを継続的に動員する必要があったと証拠によって示されている」。この発言によれば、逮捕状の請求はスーダン政府高官に関わるものになると予想される。

2.次に起こることは何か
予審裁判部の裁判官が、検察官の逮捕状請求について審議するだろう。検察官の請求で起訴された人びとが、ICCの管轄権に属する犯罪を犯したことについての「信じるに足りる合理的な理由」があるかどうかを決定しなければならない。彼らをICCへ確実に出頭をさせるために、彼らが捜査を妨害したり危うくしたりしないために、あるいは犯罪の継続を阻止するためには逮捕が必要だと判断した場合、裁判部は逮捕状を発行するだろう。

これまでの例では、裁判部が逮捕状発行の決定を出すまで、1カ月から3カ月ほどかかるだろう。

3. 逮捕状が発行された場合、どうなるか
スーダン政府は、誰であれ逮捕状に名前を記載された者を、逮捕しICCに引き渡す法的義務を負っている。国連安保理はスーダン政府とダルフール紛争の他の当事者すべてに「ICCおよび検察官に全面的に協力し、必要なあらゆる援助を提供する」(2005年3月31日、決議1593)という法的義務を課した。最近、安保理議長は、「ダルフールで行われた犯罪に対する免責を終わらせるために」(2008年6月16日の安保理議長声明)、スーダン政府とダルフール紛争の他の全当事者に対して、ICCに全面的に協力するよう要請した。

国連安保理も同様に、すべての国連加盟国と、関係する地域機関およびその他の国際機関に対して、ICCに全面的に協力するよう要請した(2005年3月31日、決議1593)。
さらに、国際刑事裁判所設置規程(ローマ規程)の加盟国はすべて、同規程により、逮捕状に記載された被疑者の身柄を拘束し、ICCに引き渡す法的義務を負っている。

4. なぜICCはスーダン政府だけを対象にし、武装勢力を対象にしないのか
武装勢力によるとされるハスカニタでの襲撃事件(2007年10月、アフリカ諸国の平和維持部隊の要員10人が殺害された)について検察当局が情報を収集中であると、2007年12月、ICC検察官は国連安保理に対して報告している。

5. 逮捕状の請求によって、スーダン現地にはどのような影響があるか
スーダン政府高官の起訴を求める要請は、多方面に影響を及ぼすだろう。第一に、現在、あるいは将来のUNAMID(ダルフールのアフリカ連合・国連混合部隊)の平和維持部隊の展開や、ダルフールにおける同部隊の市民保護の能力を悪影響を与える可能性がある。第二に、支援物資の搬送や同地域で活動する人道支援団体の立場をさらに危険に晒す恐れがある。
第三に、スーダンにおいて、表現の自由を弾圧する規制がさらに強化される可能性がある。特に、検察官の決定を公に報道することを阻止するために、スーダンの報道機関やメディアに対する規制が強まる恐れがある。

6、アムネスティ・インターナショナルはこの新しい事例を歓迎するか
アムネスティは、検察官の申し立てについていずれの評価もしておらず、また被疑者の有罪か無罪かに関しても何らの立場も取らない。

彼らの立場が国家元首であれ何であれ、国際法上の犯罪は免責されることはないとアムネスティは強く主張している。これまでに2人の人間が、国家元首の地位に就いている期間に国際法上の犯罪で起訴されている。

1999年5月、ユーゴスラビア大統領のソロボダン・ミロシェビッチが、現職の国家元首としては初めて国際法上の犯罪で起訴された。その際、アムネスティは、ミロシェビッチを起訴する決定が、ユーゴスラビア連邦共和国当局との和平交渉に悪影響を及ぼさないようにすべきであると強く主張した。

2003年6月、リベリア大統領チャールズ・テイラーに対するシエラレオネ特別法廷による起訴状は、リベリア内戦の和平協議の開始が予定されていたその日の朝に公開された。

7. 今後のアムネスティの対応はもし、ICCが検察官の申請に基づき逮捕状を発行した場合には、アムネスティは、逮捕状について、被疑者の名前やその容疑に関わりなく、その執行を求めてキャンペーンを展開するだろう。

背景情報
2005年3月31日、国連安保理は、スーダンの事態は国際の平和と安全に対する脅威を構成すると決定した。国連憲章第7章に基づく行動として、安保理は決議1593を採択し、「2002年7月1日以降のダルフールの事態」をICC検察官に付託した。2005年6月1日、ICC検察官はスーダンのダルフールの状況についての捜査を開始した。

既にアムネスティは、ICCが出した他の逮捕状の執行を求めるキャンペーンを展開中である。スーダンのアーメド・ハルン大臣とジャンジャウィド民兵の指導者アリ・クシャイブの逮捕、およびICCへの引渡しをアムネスティはスーダン政府に求めている。この2人は、ダルフールにおいて戦争犯罪や人道に対する罪を行った容疑で、ICCは2007年4月に2人の逮捕状を発行した。アムネスティはまた、神の抵抗軍(LRA)の指導者たちの逮捕と、ICCへの引渡しを求めるキャンペーンも行っている。LRAの指導者たちは、北部ウガンダでの戦争犯罪と人道に対する罪を行った容疑で、ICCから2005年6月に逮捕状が出されている。

2008年7月11日

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