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ボスニア・ヘルツェゴビナ:カラジッチの逮捕は正義への重要な一歩

2008年7月22日
国・地域:ボスニア・ヘルツェゴビナ
トピック:地域紛争
ラドヴァン・カラジッチのオランダの旧ユーゴ国際刑事法廷(ICTY)への引渡しは、最終的な異議申し立ての結果によって、ここ一週間のうちに行われる可能性がある。

このボスニアの元セルビア人指導者は、2008年7月25日金曜日の深夜までにオランダのハーグにあるICTYへの引渡しへの異議申し立てを行わなくてはならない。もし彼が異議申し立てした場合、セルビアの裁判官委員会が引き渡すかどうかの決定を下すことになる。予想通りに同委員会が控訴を棄却すれば、セルビア共和国政府が最終的な引渡し命令を出すことになる。

アムネスティ・インターナショナルはICTYに対し、ボスニア・ヘルツェゴビナにおけるジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪、戦争犯罪の被害者の正義を実現するために、十分な時間と資源が与えられるよう要請する。

「国連安全保障理事会は、ICTYがそれらの裁判を解決するために、一方的に設定した2010年という期限を見直すべきである」。22日、アムネスティはそのように述べた。

「ICTYで起訴された161人のうち115人の裁判が結審したが、まだ残る46人に対する裁判手続きが進行中である。46人のうち2人(ラトコ・ムラジッチとゴラン・ハディッチ)は、いまだに逃亡中である。ICTYには、これらの裁判をすべて審理するのに必要な時間が与えられるべきである」

アムネスティは、ICTYが現在審理しているすべてのケースを2010年の期限までに終えられないことを懸念している。このため、すべての容疑を審理し上訴を審理する時間がないという理由で、起訴が取り下げられてしまうおそれがある。

そうなると、事件の審理は各国国内の裁判所に移行することになるが、 アムネスティは旧ユーゴ諸国の司法の公正性や、被害者および証人を保護する能力、証拠の確保、徹底した捜査と訴追を遂行する能力について非常に懸念を持っている。ほとんどの旧ユーゴ諸国は、政治的意思の欠如が戦争犯罪に対する捜査や訴追を妨げており、時として意図的な妨害すらなされている。

「ラドヴァン・カラジッチの逮捕は、重要な勝利である。 アムネスティはこれまで、『今こそ逮捕を!』キャンペーンの一環として、彼の逮捕とICTYへの引渡しを求め続けてきた。ラトコ・ムラジッチとゴラン・ハディッチのような、重大犯罪の容疑者の裁判は、ICTYで審理されるべきである」とアムネスティは述べた。

ラドヴァン・カラジッチは、スルプスカ共和国元大統領およびセルビア民主党の元党首であり、ボスニア・セルビア軍(VRS)の最高司令官であった。スレブレニツァにおけるジェノサイドや人道に対する罪、戦争犯罪を含む、ボスニア・ヘルツェゴビナでの犯罪について起訴されて以降、12年以上に渡って逃亡を続けていた。

背景:
ラドヴァン・カラジッチは、1992年から1995年の紛争において、ボスニア・ヘルツェゴビナのムスリム系住民や、クロアチア系住民、その他の非セルビア系住民に対して行われたジェノサイド、ジェノサイドの共謀、民族浄化、謀殺、故殺、迫害、強制出国、非人道的行為、その他の行為で起訴されている。

ラドヴァン・カラジッチのジェノサイドの容疑には、1995年のスレブレニツァにおける少年を含む約8000人のムスリム系ボスニア人男性の殺害が含まれている。また、起訴事実の中には、彼の指揮下の軍隊がボスニア・ヘルツェゴビナ全土で非セルビア系住民を殺害したことや、数千人の非セルビア系住民を拘束し、ボスニア・セルビア人勢力が設置した収容所に移送したことなど、ジェノサイド、迫害その他の罪が含まれている。彼の指揮下の軍隊は、これらの収容所において非セルビア系住民に対して殺害や拷問、虐待、性的虐待を行ったとされる。

ラドヴァン・カラジッチは、さらに、サラエボの住民への爆撃や銃撃によって、多数の女性や子どもを含む数千人の人びとを殺害し、負傷させた。

ICTYは、1991年から旧ユーゴスラビアで行われたジェノサイド、人道に対する罪および戦争犯罪を捜査し裁くために、1993年に国連安保理によって設置された。

2004年に国連安保理は、ICTYで起訴された容疑者のうち何人かが逃亡中であるにもかかわらず、2010年までにその任務を終了するようICTYに命じている。

アムネスティ発表国際ニュース
2008年7月22日

*ICTYの発表によると、7月30日、ICTYはセルビア当局からラドバン・カラジッチ被告の身柄の引き渡しを受けたとのことです。

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