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英国:英国政府は国家間秘密移送、強制失踪、拷問に関する情報の提供を

2008年8月29日
国・地域:英国
トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
アムネスティ・インターナショナルは本日、元英国市民でグアンタナモ収容所に拘禁されているビンヤム・モハメドが、米国主導する作戦により、国家間秘密移送(レンディション)や秘密収容下で拷問・虐待の被害を受けたことを証明する情報を彼の弁護団に対して提供するよう、英国政府に要請した。

「情報提供は、米国の国家間秘密移送や秘密収容、「テロ」容疑者に対する拷問・虐待に英国が関与したとされる問題の説明責任を果たす第一歩となるだろう」とアムネスティ・インターナショナルの欧州地域広報担当のハルヤ・ゴワンは述べた。

ビンヤム・モハメドは、2002年4月にカラチ空港で拘束され、その3カ月後に米当局に引き渡された。2002年7月、モハメドは米中央情報局(CIA)の飛行機でモロッコに搬送され、そこで18カ月にわたり拘禁された。そこでモハメドは、カミソリで性器を切られるなどの拷問を受けたとされる。申し立てによると、モハメドはさらに秘密裏に移送され、2004年1に月アフガニスタンのカーブルにある「暗黒刑務所」に収容され、そこでさらなる拷問を受けた。5カ月後、バグラム米空軍基地に移送され、そこでもさらに拷問を受けたとされている。その後、2004年9月中旬にグアンタナモ収容所に移送され、それ以来、同収容所で拘禁されている。

「違法に拘禁された中で作られた供述書は、ビンヤム・モハメドがグアンタナモ軍事委員会の裁判にかけられる場合の起訴の根拠にされるだろう。しかし、軍事委員会の裁判は不公正であり死刑判決を受ける可能性もある。英国当局が保管している、ビンヤム・モハメドへの人権侵害に関連する、あるいは彼の弁護に役立つあらゆる情報は、速やかに彼の弁護団に公開されるべきである」と、ハルヤ・ゴワンは強調した。

イングランド・ウェールズ高等裁判所は先週、政府にはビンヤム・モハメドの弁護団に情報を公開する義務があると判断したが、英国外相が情報公開の差止めを求めたため、この決定は延期された。外相は、今回の情報公開が米国との間の機密情報共有に関する取り決めを損ない、英国の安全保障を脅かすと主張した。外相は、情報公開を差し止めるより詳しい理由を1週間後に説明するよう高裁から求められている。

ビンヤム・モハメドの弁護団は、彼が米国の軍事委員会で裁判にかけられるか否かの決定が下される前の今こそ、この情報を必要としている。これは、モハメドの起訴の根拠となる情報が不適切に得られたものであるという弁護団の主張にとって重要なのである。

ディエゴ・ガルシアを経由した被拘禁者の秘密裏の移送、また元英国市民のビシェル・アルラウィとジャミル・エルバナの国家間秘密移送と秘密収容に英国が関与したことが最近になって明らかになった。このことは、英国がこれらの人権侵害に加担していることをもはや隠すことはできない、ということを示している。

「外交関係の保持を言い訳とした秘密主義で、英国諜報員による人権侵害への加担を調査しないことを正当化することは、もはや通用しない」。

アムネスティ・インターナショナルは、国家間秘密移送計画への英国の関与疑惑についての真に独立かつ公正な公的調査を、これ以上先延ばしすることなく実施するよう、英国当局に要請する。

背景:
エチオピア国籍のビンヤム・モハメドは、パキスタン、モロッコ、アフガニスタン、グアンタナモで拷問を受けたと訴えており、モハメドが軍事委員会での裁判にかけられる場合、高等裁判所も認めたように、証拠の根拠とされる彼の供述書は、違法な拘禁と拷問、虐待によって作られたものだと主張している。

英国の人権擁護活動家と弁護士らによる粘り強いキャンペーンが続いた後、2007年8月に英国政府は、ビンヤム・モハメドを含む多数の元英国市民のグアンタナモ収容所からの釈放と英国への送還を要求した。2007年12月に3人が送還されたが、米当局はビンヤム・モハメドの釈放と送還を拒否した。英国政府は、ビンヤム・モハメドの釈放と送還を要請し続けていると述べている。

英国政府はビンヤム・モハメドに関する情報を米当局に提供し、米当局は、ビンヤム・モハメドが軍事委員会による裁判にかけられる場合には彼の軍事弁護人にその情報を渡すと英国政府に対して約束した。しかし、現在に至るまで、英米ともビンヤム・モハメドの国家間秘密移送とその後の拘禁中の取り扱いに関する情報を弁護団に公開していない。

アムネスティ・インターナショナルは、グアンタナモ収容所における軍事委員会の手続きは根本的に不公正なものと考えており、軍事委員会の廃止と、未だグアンタナモに拘禁されている人びとを釈放するか、そうでなければ米国内の民間の連邦裁判所において真に公正な裁判に直ちにかけるよう求めている。


アムネスティ発表国際ニュース
2008年8月29日

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