ジンバブエ:ジンバブエで医療制度が破綻

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2008年11月21日
国・地域:ジンバブエ
トピック:
新政府がとるべき形態についてジンバブエの各政党が論争し続ける一方で、同国の医療制度は完全崩壊の瀬戸際に立たされている。

コレラの流行によって、ジンバブエ全土10州のうち9州がその影響を受け、主な病院も患者に必要な医療を提供できずにいる。

ハラレ中央病院やパリレンヤトワ病院、統一ブラワヨ病院など同国の主な紹介(総合)病院は、ほとんど機能しておらず、閉鎖している病棟さえある。

大ハラレ地方にあるふたつの政府系産婦人科病院はすでに閉鎖された。多くの地方や地区の病院も閉鎖に追い込まれるか、最小限の業務しかこなせていない。

薬や医療品の不足やインフラの荒廃、設備故障、頭脳流出によって、制度全体が麻痺している。その結果、ジンバブエの一般市民は基本的な医療を受けることができない状況にある。

ハラレでは、毎月3000人前後の女性が公立病院で出産している。そのうち250人から300人が救命のために帝王切開を必要とする。

ハラレとパリレンヤトワの両病院の産婦人科は閉鎖されたため、多くの貧しい女性たちが緊急の帝王切開を拒否されるという結果を招いてる。ほとんどの私立病院は、いまや米ドルでの支払いを要求しているため、住民の大多数はこれを利用することができない。

マタベレランド南部州のベイトブリッジ地方で、この7日間で45人がコレラの流行によって死亡したと国有新聞ヘラルドは報じた。

同国で流行中のコレラは、救えたはずの数百人もの命を奪い続けている。

感染を予防できず、その流行を許す結果を招いたのは、安全な飲料水の供給が不適切だったことと、下水設備が壊れていて、垂れ流される未処理の汚水に囲まれた生活を住民が余儀なくされていたことが原因である。

11月18日、医療従事者のグループが保健・児童福祉大臣への嘆願書を提出しようとするのを、重装備の機動隊が阻止したと報じられている。誰もが利用できる安価な医療を復旧するため緊急に対策を実施するよう医療従事者らは政府に求めていた。

嘆願書提出の代わりに、彼らの抗議行動は、パリレンヤトワ病院の敷地内にとどまることを余儀なくされた。4時間後、警官は病院の敷地に入り強制的に彼らを解散させたが、その際数人の医療従事者が暴行を受けた。

「国が崩壊しようとしている時に、ジンバブエの政治家たちが相変わらず政争に明け暮れていることにアムネスティ・インターナショナルは憂慮している。防げたはずの病気で何十人もの国民が毎日死んでいる中、一般国民の苦悩を終わらせるより、政治家たちは自分たちの保身に腐心していることは悲劇以外の何者でもない」と、アムネスティのエルウィン・バン・デル・ボルフト・アフリカ・プログラム部長は述べた。

アムネスティ発表国際ニュース
2008年11月21日

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