スリランカ:新聞編集者、銃弾に倒れる

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2009年1月 8日
国・地域:スリランカ
トピック:危機にある個人
8日朝、サンデーリーダー紙の編集者ラサンサ・ウィックラマタンガ(Lasantha Wickramatunga)は、コロンボ市内のマウント・ラビニアで移動中に、身元不明の武装した男たちの銃撃を受けた。ウィックラマタンガはカルボウイラの病院へ緊急搬送されたが、死亡した。

アムネスティ・インターナショナルはスリランカ政府に対して、この銃撃事件を始めとするメディアへの攻撃を公式に非難し、独立した捜査を開始することを強く求める。1月8日時点でアムネスティは、ジャーナリストその他のメディア関係者殺害の容疑者逮捕および起訴に至る捜査が実施されたことを確認していない。違法な殺害に関して徹底した捜査が実施されないということは、この種の攻撃が今後も野放しにされる可能性を示している。

サンデーリーダー紙は、民営化政策に関わる政治的干渉や汚職を告発する記事を数多く掲載してきた。また同紙の解説者たちは、人びとの注意を激化する闘争のなかで侵害されている人権問題にも向けようとした。

サンデーリーダー紙とそのスタッフが攻撃を受けたのは、これが初めてではない。2007年、リーダーグループ出版の印刷機が武装した10人の男によって破壊された。男たちは従業員を脅迫し、同社の備品と刷り上ったばかりの新聞へ火を放った。2006年には、編集長のウィックラマタンガが、大統領を批判する記事を掲載したとして、「反テロ」法で逮捕すると脅された。

今回の事件は、コロンボの民間放送局MVC/MTVテレビのスタジオを暴徒が襲撃し、クレイモア爆弾で施設を破壊した事件の2日後に起きた。

スリランカでは、政府の見解と異なる意見を述べることに対して、ジャーナリストの恐怖が増している。アムネスティも、独立系のジャーナリストたちが殺害の脅迫を受けたという報告を多数受けている。

人権の尊重は、世界中どこでも、偏見がなく正確なメディア報道によって保たれている。一般に公開され公的に監視されることがなければ、秘密と否認のベールの陰で、人権侵害が蔓延する可能性がある。メディアに対する暴力を許す風潮は、何が起きているかを知るための正確で公正な報道を不可能にする。

背景:
2006年初頭から、スリランカでは少なくとも14人のメディア関係者が違法に殺害された。その他、恣意的に拘禁され、拷問を受け、治安部隊による監禁中に失踪したとされる事例もある。これまでに20人を超えるジャーナリストが、殺害を恐れて国外に脱出した。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年1月8日

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