カメルーン:ローマ法王は、同性愛の犯罪扱いの終結をあらためて表明すべき

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2009年3月18日
国・地域:カメルーン
トピック:性的指向と性自認
アムネスティは本日、初のアフリカ訪問でカメルーンに滞在中のローマ法王ベネディクト16世に対し、性的指向に基づく差別根絶の重要性を表明するよう要請した。

カメルーンの刑法では、同性間での性的関係が犯罪とみなされている。

アムネスティは、数十人の若い男女が同性間で合意に基づき性的関係を持ったことを理由に逮捕・拘禁され、少なくとも過去3年の間に、そのうち何人かが拘禁刑や罰金刑を科せられたことを記録している。

「法王には、このカメルーン訪問という重要な機会を利用し、人びとが受ける性的指向に基づく攻撃や迫害に対して、ローマ教皇庁として遺憾である旨を名言し、政府に同性愛を犯罪扱いしないよう要求して欲しい」と、アムネスティのアフリカ部副部長タワンダ・ホンドラは述べた。

ローマ教皇庁は、2008年12月の国連総会において「同性愛者に対するあらゆる不当な差別が回避されなくてはならないと説き続け、彼らに対する刑罰を廃止するよう各国に強く求める」と述べている。

アムネスティやその他の人権団体は、性的指向に関わらず、カメルーンのすべての人びとの人権を支持し、尊重し、保護するよう、カメルーン当局、宗教団体、報道機関に対して数多くのアピールを行ってきた。

2005年12月、カメルーン・ローマカトリック教会の上級教会リーダーが同性愛を公に非難したことが、地元メディアによって報道された。それ以来、同性愛者に対する迫害が多発している。

「数十人のカメルーンの男女が、同性間での合意に基づく性的関係を実際に持った、またはその疑いだけで拘禁されている。このようなことは許されていいはずがない。私たちは、法王がカメルーン滞在中に、政府や教会の指導者、そして多くの信者たちにこのことを明確に伝えることを期待する」と、タワンダ・ホンドラは述べた。

3月19日には、ベネティクト法王はヤウンデ(第2の都市)のローマ法王庁大使館で、駐アフリカ司教特別会議のメンバーと会合を持つ予定である。

性的指向に基づいて人びとを有罪にすることは、カメルーンが批准している国際人権法およびアフリカ地域の人権条約に反している。

市民的および政治的権利に関する国際規約(自由権規約)は、差別からの自由(第2条および第26条)、プライバシーの尊重(第17条)、良心の自由(第18条)、表現の自由(第19条)の権利を保護しており、人および人民の権利に関するアフリカ憲章は、第2条で差別からの自由を定めている。

2006年3月、12人の女性たちが同性間で性的関係を持った疑いにより、ドゥアラの大学を永久追放された。アムネスティは、彼女たちが性的指向のみを理由として追放され、教育を受ける権利が剥奪されたことに、懸念を表している。

2007年8月16日には、ヤウンデにて2人の男性が、同姓間で性的関係を持ったとして憲兵に逮捕された。容疑をかけられた2人は、コンデングイ刑務所に移送される2007年8月31日までの間、ンロンカク憲兵隊舎に拘束されていた。

拘束中この2人は、同性間での性行為があったかどうかを立証するためとして、当局による肛門検査を受けた。このような検査に医学的根拠は無く、拷問、その他の残虐で非人道的または品位を傷つける取り扱いの禁止に違反する行為である。2007年11月23日に裁判所に出廷した男性らは、同性間での性交渉は犯罪ではないと抗弁したが、2008年3月13日、裁判所は彼らを同性間での性行為により有罪とし、6カ月の拘禁刑と25,000CFAフラン(日本円で約5千円)の罰金刑を言い渡した。彼らはすでに6カ月以上拘禁されていたため、判決後すぐに釈放された。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年3月18日
 

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