朝鮮民主主義人民共和国:米国人ジャーナリストの釈放を要請する

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2009年4月 7日
国・地域:朝鮮民主主義人民共和国
トピック:
アムネスティ・インターナショナルは本日、朝鮮民主主義人民共和国政府に対し、公正な裁判の国際的基準を満たした手続きにより明らかな犯罪で起訴されていない限り、平壌の拘禁施設に拘束されている2人の米国人ジャーナリストを釈放するよう要請した。

ローラ・リンおよびユナ・リーは、3月17日、朝鮮民主主義人民共和国と中国の国境にある豆満江の近くで、朝鮮民主主義人民共和国当局によって逮捕された。2人の女性が逮捕時に朝鮮民主主義人民共和国側へと国境を越えていたのか、あるいは中国側にいたのかは明らかでない。

「これら2人のジャーナリストが朝鮮民主主義人民共和国で公正な裁判を受けることは、同国の司法制度に独立性や透明性が完全に欠如していることを考えると、まったく期待できない」と、アムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋部副部長ロジーン・ライフは述べた。

3月30日、国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、当局は「不法入国」および「敵対行為」の容疑で彼女たちを起訴するのに十分な証拠とジャーナリストたちの供述を得ていると発表した。

「この2人のジャーナリストは、朝鮮民主主義人民共和国の女性たちの人権侵害を調査していた。もし有罪となれば、彼女たちは10年以下の刑となり、ひどい環境の刑務所の中で強制労働をさせられる可能性がある」と、ロジーン・ライフは語った。

ローラ・リンとユナ・リーは2人ともカリフォルニアを本拠地とするサンフランシスコのカレントTVというベンチャー企業で働いている。

彼女たちの同僚2人は逮捕を免れた。彼女たちのカメラマンであるミッチ・コスは中国から国外退去となり、朝鮮系中国人のガイドは中国当局に拘禁されていると報告されている。

米国は正式な国交がないため、平壌のスウェーデン大使館を通じて当局と連絡を取っている。この週末、2人のジャーナリストはスウェーデンの外交官と面会する許可を得た。

自由権規約の加盟国として、朝鮮民主主義人民共和国当局は2人のジャーナリストについてとりわけ以下のことを保証するよう義務付けられている、とアムネスティは述べた。

・法律により設置された、権限のある独立かつ公平な裁判所による公正な公開審理を受けさせること
・自ら選任した弁護士と連絡できるようにすること
・有罪判決を受けた際は控訴をする権利があること
・拷問及びその他の残虐、非人道的又は品位を傷つける取扱いあるいは刑罰を受けないようにすること

アムネスティはまた、2人の女性には継続した領事による支援や適切な医療へのアクセスが必要であると述べた。

「人権全般、特に公正な裁判を受ける権利に関する朝鮮民主主義人民共和国のひどい実績を考えると、ローラ・リンとユナ・リーの権利が守られることを保証するためには、釈放することがより現実的な方法であるだろう」と、ロジーン・ライフは語った。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年4月1日