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日本:入管法および住基法の改定に対するNGO共同声明

2009年5月15日
[日本支部声明]
国・地域:日本
トピック:日本の難民
 -難民申請者の除外でなく、難民保護の実現を-

現在、国会では、外国人登録法の廃止により外国人登録証に代わって「在留カード」を発行し、在留管理情報を法務省に一元化する「新たな在留管理制度」を導入する出入国管理及び難民認定法(入管法)改定案および外国人を住民基本台帳に包摂する住民基本台帳法(住基法)改定案が審議されている。一連の改定案は、多くの難民申請者が非正規滞在状態に置かれているという従来からの問題と相まって、難民の保護という国際的な責務を果たすことからは一層遠ざかるものである。従って、以下の点を踏まえた慎重な検討を要請する。

入管法改定案では、「新たな在留管理制度」の対象は、在留資格をもつ中長期在留者に限られる。住基法改定案においては、在留資格をもつ中長期在留者に加えて、一時庇護許可者、仮滞在許可者を住民基本台帳の対象としている。しかし、難民申請者のうち、一時庇護許可者または仮滞在許可者はごく少数であり、多くが仮放免取得者をはじめとする在留資格をもたない非正規滞在状態にある。このため、一連の改定案では、多くの難民申請者が除外されることとなり、難民保護の視点を欠くものである点、懸念を表明する。

現在は外国人登録を住民行政の基礎として市町村が行っており、在留資格の有無に関わらず、現実に存在する「住民」に対し、必要とされる教育や母子健康等の一定の行政サービスが提供されている。しかし、法務省の一元管理によって市町村の裁量が狭まり、在留資格による形式的な判断だけで、多くの難民申請者を含む非正規滞在者が住民基本台帳から除外されることとなる。「住民」としての実態や現実的な必要性にも関わらず、住民基本台帳から除外されることにより、難民申請者が行政サービスを享受できなくなることが危惧される。日本の難民行政については、2008年、自由権規約委員会が、第5回日本政府報告書審査の最終見解パラグラフ25において、当局に対し、「全ての難民申請者に対し、弁護士、法律扶助、通訳のほか、手続の全期間にわたる適当な国庫による社会保障あるいは雇用へのアクセスを確保すべきである」と勧告をしている。難民申請者の除外ではなく、行政サービスを確保し、自由権規約委員会による勧告の実施とともに国際基準に沿った難民保護の実現を要請する。

背景情報:
難民申請件数は2003年まで毎年400人以下で推移していたが、2007年には816人、2008年には1599人と急増している。難民申請数の増加は審査期間の長期化も招いており、現在では異議申し立て手続までを含めると平均約2年を要しており、2007年度に難民認定を受けた41人のうち、7人は4年以上かかっている。
 難民申請者の法的地位の安定化を図るために導入された仮滞在許可制度は、その許可数が極めて低く、2008年に許可を受けた者は57人に留まり、その許可率は9%を下回る。一方、一時庇護許可を受けた者は2004年から2006年までおらず、2007年に4人である。従って、多くの難民申請者は、難民認定手続の結果を待つ長期に渡り、非正規滞在者として日本に滞在している。なお、仮放免許可は2008年に3,883件である。

 また、難民申請者の多くは就労を許可されず、社会保障の多くから除外されている。外務省は、困窮する難民申請者に対して保護費の支給を行っているが、2009年4月より、重篤な病気の人、妊娠中の人や子ども(12歳未満)、合法的に滞在している人で、就労許可を有しない人を優先するとの通知を行い、その対象を限定する決定をした。

2009年5月15日

<呼びかけ>
社団法人 アムネスティ・インターナショナル日本
<賛同>
カトリック東京国際センター
カリタスジャパン
全国難民弁護団連絡会議
日本カトリック難民移住移動者委員会
社団法人 日本福音ルーテル社団
難民・移住労働者問題キリスト教連絡会
特定非営利活動法人 難民支援協会
RAFIQ(在日難民との共生ネットワーク)
(2009年5月15日現在)

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