スリランカ:人権を守るため緊急の行動が必要

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2009年5月18日
国・地域:スリランカ
トピック:地域紛争
スリランカ政府とタミル・イーラム解放の虎(LTTE)との戦争が最終局面を迎え、人道上の危機が拡大している中、アムネスティ・インターナショナルは民間人や捕虜となった戦闘員の保護を確実にするために不可欠な対策をとるよう要請する。

「スリランカ政府は、戦闘行為の被害から民間人を保護することに関する規定をはじめ、政府軍が国際法を十分に尊重することを保証しなければならない」と、アムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋部長サム・ザリフィは述べた。「政府は、降伏を望むLTTEの戦闘員は誰であれその降伏を受け入れ、武器を置いた戦闘員たちを人道的に取り扱うべきである。一方、LTTEは民間人および捕虜になっているスリランカ政府軍の兵士を保護しなければならない」。

スリランカ国内では、 約8万人の子どもを含む20万人以上の人びとが避難民となっており、救援物資のみならず人権侵害からの保護が必要とされている。

アムネスティ・インターナショナルはスリランカ政府に対し、以下を要請する。

・ 国内の人道機関や国連、赤十字国際委員会を含む国際人道機関が、支援を必要としているすべての人びとのために活動することを認め、諸機関の活動が円滑に行われるようにすること。

・ 現地の状況を監視し、拷問その他の虐待、恣意的な拘禁や強制失踪などの、人権侵害の予防措置を講じるために、国内のおよび国際的な独立した監視団が早急かつ自由に現地に入ることを認めること。

・ 強制失踪のような人権侵害に対する必要不可欠な予防措置として、直ちに適切な登録手続きを導入するなど、避難民を保護する措置をとること。

「加えて国際社会は、登録作業や資格審査を実施する場所や避難民キャンプ、拘禁施設など、重要な場所への国際監視団の迅速な派遣を要請しなければならない」と、サム・ザリフィは述べた。

アムネスティ・インターナショナルは、スリランカにおいて刻々と変わっていく状況に対して注意を持続するために、国連人権理事会が特別会合を召集することを支持する。また、国連が国際的な調査委員会を設置するよう求める。

「調査委員会は、紛争下における、すべての紛争当事者による国際人権法および人道法違反の申し立てを調査し、十分な説明責任を保証するための最善策について勧告を出すべきである」と、サム・ザリフィは述べた。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年5月18日

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