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リトアニア:議会が同性愛の犯罪化を審議

2009年9月 9日
国・地域:リトアニア
トピック:LGBTと人権
同性愛を助長する行為を犯罪とするリトアニア議会の動きはすべて、表現の自由を守り差別に立ち向かうという同国の国際的な義務に違反するものである。9月9日、アムネスティ・インターナショナルはそのように警告した。

この警告は、リトアニア議会が秋期の会期中に「公共の場で同性愛の関係を助長すること」を犯罪とするような法改定を審議する準備をしていることを踏まえたものである。

「これらの発議は、同性愛嫌悪を国家が後押しするという点で、リトアニアにとってさらなる後退である」と、アムネスティ・インターナショナルのヨーロッパ・中央アジア部長ニコラ・ダックワースは述べた。

もし法案が成立すれば、非常に幅広い活動が、政府によって訴追の対象にされることになる。例えば、性的指向や性自認に関する人権問題についての活動、すなわちレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)の人びとへの性に関する医療情報の提供、ゲイ映画祭やプライド・フェスティバルを行う団体などが含まれかねない。

「この法案により改定された刑法の下で拘禁される人びとを、アムネスティはすべて良心の囚人とみなすだろう」と、ニコラ・ダックワースは述べた。

改定案は、今年7月に可決された、差別的な法である「公共の情報による有害な影響からの未成年者保護に関する法」に基づいている。この法は「ホモセクシュアル、バイセクシュアルおよび一夫多妻の関係を扇動する」ものを、子どもが目にする可能性のある学校、公共の場、メディアから締め出すというものである。

今回の改定案はさらに踏み込んでおり、公共の場所で、同性愛について表現または描写したり、その情報を提供したりすることは、ほぼすべてが犯罪とみなされる可能性がある。

この改定案は、LGBTの人びとが自らの性的指向や性自認に基づいて生きるための適切な情報の入手、支援、保護を事実上妨げるものである。さらに、雇用に関して、または商品やサービスを受ける際など様々な場面で、差別の増長やその他の人権侵害を引き起こすだろうと考えられる。

「ベルリンの壁崩壊から20年が経過したが、リトアニア議会は時代に逆行して、情報の流通や表現の自由に対して非常に厳しい制限を課し、一部の国民に烙印を押している」と、ニコラ・ダックワースは述べた。

「EU加盟国がこのような法律の導入を検討していることは信じがたいことである」

「議会議員は国民の代表として、すべての人びとの権利を保護するけん引役となり、また自国の国際的な義務を尊重しなければならない」

背景情報:
現在検討されている2つの改定案は以下の通りである。

「公共の場における同性愛関係の助長」と名づけられた刑法の新たな310条は、「公共の場で同性愛の関係を助長した者は、刑法上の犯罪を犯したとして、社会奉仕、罰金、拘禁刑のいずれかの刑が科され得る」と記している。

この刑法違反は法人に対しても適用できる。

「公共の場での同性愛の推進または資金提供」と名づけられた行政刑法の新たな214条は、「公共の場での同性愛関係の助長またはその様な行為に対する資金提供は、1000リタから5000リタの罰金を科される」と記されている。

リトアニアは自由権規約(ICCPR)と欧州人権条約(ECHR)の締約国であり、どちらの条約も表現の自由を保障するものである。表現の自由に対する制限は、許容しうる目的にかなうものでなければならず、その目的が法に明記されていなければ、これを課すことはできない。

今回の改定案はいずれの基準も満たしていない。

自由権規約と欧州人権条約は、その他複数の国際的な人権条約と同様に性的指向に基づく差別を禁止している。

今回の改定法案は、客観的、または合理的な理由なく、上記のような人権条約に基づく幅広い権利の享受を制限している限りにおいて、差別をしてはいけないというリトアニアの義務に明らかに反している。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年9月9日

 

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