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イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ自治政府:ガザ調査に関するイスラエルの最新の返答はまったく不十分

2010年2月 5日
国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ自治政府
トピック:地域紛争
1年前にガザでイスラエル軍が行ったとされる国際法違反についての申し立てをイスラエルが調査し、その報告書を国連に提出したが、このイスラエルの最新報告はまったく不十分であると、アムネスティ・インターナショナルは述べた。

イスラエルが潘基文(パン・ギムン)国連事務総長に提出した最新の調査報告は、数百人の民間人が殺害され数千人が家を失った攻撃行為に関する核心部分について、きちんと向き合うものではなかった。

「イスラエルによってなされた調査は、独立性や中立性、透明性、迅速性、有効性についての国際基準を満たしていない。イスラエル軍は自分自身で調査をしている。これでは真実を獲得し被害者のための正義を確保するために適切でありうるはずがない」と、アムネスティ・インターナショナルの中東・アフリカ部長マルコム・スマートは述べた。

1月29日に公表された46ページの最新報告書には、2009年1月18日に終結したガザでの22日間の軍事攻撃である「キャスト・レッド(Cast Lead)」作戦において、イスラエル軍によって行われた戦時国際法違反の申し立てを含む150件について、調査を開始したと書かれている。

およそ1400人のパレスチナ人と13人のイスラエル人が、ガザとイスラエル南部で起きた紛争で殺害された。

わずかに公表されている詳細によれば、イスラエル当局は人口密集地域で軍が白リン弾を使用したことについての重大な懸念にきちんと向き合っていない。

救急車の乗務員などパレスチナ民間人への直接攻撃や、国連施設とその他の民間の建物・インフラへの攻撃についても、イスラエルは十分に調査していない。

こうした事件については、国連、アムネスティ、その他の人権団体、報道機関が紛争時に報告していた。

「『キャスト・レッド』作戦が行われている間、イスラエル軍による国際人道法違反で数百人の民間人が死亡し、人びとが『人間の盾』として使われ、数千の家屋と他の民間インフラが壊されたという多数の信頼できる申し立てがあった。1年余り経過したにもかかわらず、最新の報告書によると、イスラエルの調査の結果有罪とされたのはたった1人の兵士だけである。しかもそれはクレジットカード窃盗の罪であった」と、マルコム・スマートは述べた。

すべてのイスラエルの調査は軍司令官もしくは軍警察の犯罪捜査官によって行われ、軍法務総監によって監督されたものであり、調査の独立性と中立性がひどく損なわれている。

軍法務総監事務所は、「キャスト・レッド」作戦の間、イスラエル軍に対して標的と戦術の選択について法的アドバイスを与えていた。

イスラエル軍による調査は、文官による決断について調査を行う可能性も排除している。文官もまた、重大な違反行為に責任があると申し立てられている。

最新の報告書は、アムネスティが令状発付と独立の調査を主張している重大事件について、刑事事件としての捜査をする根拠はないと述べている。

これらの重大事件には、イスラエルによる国連施設、民間人の財産とインフラへの攻撃、医療施設・医療従事者への攻撃、多数の民間人が殺害された事件などが含まれている。

ガザでイスラエルが白リン弾を広範に使用したことについて、アムネスティがかねてより懸念を表明しているにもかかわらず、最新の報告書は「リンを含む兵器をイスラエル国防軍が使用したことで、懲戒もしくは他の手段をとることはない」と主張している。

「キャスト・レッド」作戦の間、イスラエル軍はしばしば住宅地域に白リンを含有する砲弾を発射し、民間人の死傷者を生んだ。

最新報告書はイスラエルの兵士や将校が交戦規則に違反したいくつかの例」を認めているものの、民間人の死傷者をもたらしたその他のイスラエル軍の攻撃は「作戦上の誤り」として簡単に片づけられている。

「作戦上の誤り」もしくは認定された軍隊による規則違反の結果として被害を受けたパレスチナ民間人に対する金銭賠償などの補償について、イスラエル政府が保証することは示されていない。

アムネスティは「キャスト・レッド」作戦について調査し、この作戦には、常軌を逸した行為、民間人の生命と財産の軽視、イスラエル軍が一貫して軍事目標と民間人ないし民間施設を区別していなかったなどの要素があったと指摘している。

イスラエル軍は軍事攻撃の全期間において、民間人の被害者が増えることとなった戦術と兵器を使いつづけた。イスラエルの高官たちは、軍事攻撃の初期からかなりの数の民間人死傷者が生じることを知りながらも、そうしたのである。

アムネスティはイスラエル当局に対し、多くの事件に目を向けさせたが、いくつかの特定の事件についての釈明を繰り返し要請したにもかかわらず、当局は答えていない。

「潘基文国連事務総長は、イスラエルおよびパレスチナ側による内部調査に関する報告書を出す予定だが、その報告書では、これらの内部調査が確立された国連の基準を満たしているのかどうか、「独立的」で信頼性があり国際基準に合致しているのかどうかについて、実質的評価がなされなければならない。今のところ、両者共にそうした基準を満たす調査を行う可能性、もしくはその意思は無さそうである。もしこの状態のままならば、その際は加害者の説明責任と被害者への正義を確保する責任は国連にのしかかってくる。つまりそれは安全保障理事会がガザの状況を国際刑事裁判所(ICC)へ付託することを最終的に考慮すること、また紛争中の違法行為で生じた損失や損害に苦しむ人びとや死傷者などの犠牲者のための基金を設立するために国連総会が措置を講じることを含まなければならない」と、マルコム・スマートは述べた。

背景情報:
イスラエルの最新の報告書は2009年11月に国連総会によって設定された提出期限の数日前に提出された。この時、総会はガザ紛争についての国連事実調査団の勧告(ゴールドストーン報告書)を支持し、両勢力による戦争犯罪とその他の違反行為についての申し立ての調査を3カ月以内に行うようイスラエルとパレスチナ両者に対して要請していた。

国連総会が言明しているが、これらの調査は「説明責任と正義を確保するため、(国連)事実調査団によって報告された国際人道法、国際人権法への重大な違反行為に対して、独立的で信頼性があり、国際基準に合致したもの」でなければならない。ハマスはまだ国連に対していかなる公的な報告書も提出していない。

アムネスティ発表国際ニュース
AI Index: PRE01/033/2010
2010年2月2日

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