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イラン:ゆがめられた国連への人権状況報告

2010年2月12日
国・地域:イラン
トピック:
イラン政府の自国における人権状況に対する見解は非常にゆがめられている。アムネスティ・インターナショナルは、国連人権理事会がイランについて審査するに先立ち作成した分析報告の中でそのように述べた。

このアムネスティの報告は、普遍的定期審査(UPR)の枠組みの中で、イラン自身が提出した国連への報告書を受けて作成された。国連人権理事会の作業部会は、2月15日にイランの人権に関する記録を審査する予定である。

審査期間中、国連加盟国はイランの人権状況について質疑を出し、イラン政府への勧告を行うことができる。勧告が出されれば、イラン政府はそれを受け入れることになる。

「イラン当局は、現実を見ていないか、もしくは現実を認めたくないかのようだ」と、アムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカ部副部長ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。「イラン政府の報告書は、まるで人権の危機的状況などは存在せず、政治的動機による批判だけがあるかのように書かれている」

「国連加盟国は、イランで実際に起きていることをよく見なければならない。大量逮捕や大量拘束、平和的なデモ参加者への殴打、拘禁中の拷問や死亡、『見せしめの裁判』や政治的動機に基づいた処刑などである。一人よがり、または見当はずれのイランへの連帯が、イランに人権に対する義務を果たすよう求める上での障害となってはならない」

アムネスティの分析報告は、イランが公正な裁判を受ける権利や表現の自由を守っていないこと、さらに女性や民族的・宗教的マイノリティの場合には、差別されない自由などの権利擁護がなされていないことについて実例を挙げ、イラン政府の報告書であいまいにされていることがらにスポットを当てている。

イランの報告書では、イランは「自白」を強制するための拷問を禁止していると述べられているが、事実はまったく異なり、「自白」を引き出すための拷問や虐待が横行している。最近、テヘランでの「見せしめ裁判」の一部をイラン国営放送が放映したが、げっそりとやつれた被告人が赦しを乞いながら、明らかに強制された「自白」をしている姿が映し出されている。

イランの司法制度は、政府の報告書に述べられているような独立した権力ではなく、扱いの微妙な問題の裁判では政治的な思惑に非常に大きな影響を受けている。また、女性に対しては徹底して差別的である。女性はあらゆる場で決定権のある上級の職に就いていない。その一方で、法廷での女性の証言は男性の半分の価値しかなく、負傷や死亡に対する賠償金は男性の半分しか受け取れない。

アムネスティの報告書は、イランが一貫して人権団体や国連の人権専門家の訪問を先延ばしにし、彼らとの関係構築がなされていないことを批判している。これは、イランが人権団体と協力しているという主張と食い違っている。アムネスティは1979年4月以来、人権侵害についてじかに調査を行うためイランへ入国することを拒否され続けている。

現在、イラン国会で未決の人権に関する法案がいくつかあるが、何年も進展がないまま審議中とされている。その中には、未成年者犯罪調査法案という、未成年時の犯罪者に死刑が科せられる数を減らす可能性のある法案や、5年以上前の国会で草案がまとめられた、「政治犯罪」を明記する法案が含まれている。

イランが国連に提出した報告書で言及している、立法におけるいくつかの改善については、アムネスティも認めている。検察局の復活やイスラム教徒と非イスラム教徒の間の賠償金の平等化、人身売買をなくす努力などである。

「今まさにイランが実行しなければならないことは、同国内での人権を改善するために必要な措置を講じること、すなわち人権活動家がおびえることなく活動でき、ジャーナリストが自由に報道でき、人びとが暴力にさらされることなく抗議行動を行うことができるようにすること。また、司法制度を改善し、説明責任を確保するための機構を着実に発展させることである」と、ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。

*イラン・イスラム共和国が普遍的定期審査のために提出した報告書に対して出されたアムネスティのコメントの全文は、以下からご覧いただけます。
http://www.amnesty.org/en/library/info/MDE13/021/2010/en

*イランの普遍的定期審査に関するアムネスティの報告は下記からご覧いただけます。
http://www.amnesty.org/en/library/info/MDE13/009/2009

アムネスティ発表国際ニュース
AI Index: PRE01/049/2010
2010年2月12日

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