イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ:ガザ紛争に関する国連決議に日本政府が賛成票を投じたことを歓迎

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2010年3月 5日
[NGO共同声明]
国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
トピック:地域紛争
去る2月26日、国連総会の本会議は、2008年末に勃発したガザ紛争の下での深刻な国際人権法および人道法違反行為を明らかにするために、「独立した信憑性が高い調査」をイスラエルおよびパレスチナ双方に改めて求める決議を採択しました。

同決議は国連事務総長に対し、イスラエルおよびパレスチナ双方からの調査結果を報告書にまとめ、5カ月以内に国連総会に報告するよう要請しています。さらに事務総長に対して、必要であれば、国連安全保障理事会を含む国連機関が「さらなる行動」をとることを考慮するよう求めています。決議は、日本を含む98カ国が賛成票を投じ、7カ国が反対し、31カ国が棄権しました。

私たちは、日本政府が同決議を支持し賛成票を投じたことを歓迎します。そして、イスラエルおよびパレスチナ双方が決議に則った「独立した信憑性の高い調査」を遅滞なく実施するよう、日本政府が双方に働きかけるよう求めます。

今回の決議が採択された背景には、昨年11月5日に採択された決議で要請されたにもかかわらず、イスラエル政府もパレスチナ側も十分な調査を行なわなかったことがあります。双方の報告書は独立性に欠け、非武装の住民に多くの犠牲が出たことについて責任を果たそうという姿勢がまったく見られませんでした。

今回の決議には、11月の決議で棄権した日本、フランス、英国、ギリシャ、ケニアなど22カ国が賛成票を投じました。このことは、ガザ紛争下における深刻な国際人権法違反や人道法違反、戦争犯罪に対して、説明責任と正義の実現が必要であるという認識が広まったものと言えます。

イスラエルおよびパレスチナ双方が、国際基準が要請する「独立し信憑性の高い」調査を実施することを再び怠った場合、私たちは、日本政府が本件を国際刑事裁判所(ICC)*に付託するよう国連安全保障理事会に働きかけることを求めます。

そして、今回の決議に賛成票を投じた国として、また安保理の非常任理事国として、日本政府が重大な人権侵害の免責に終止符を打つための行動をとるよう、私たちは求めます。これ以上、国際人権法および人道法の違反に対する責任追及を放置することは決して許されません。

最後に、ガザ地区の再建と復興が進まない原因となっている同地区の封鎖解除のために、日本政府がイスラエル政府およびエジプト政府に対して積極的に働きかけるよう、改めて要請します。

*国際刑事裁判所(ICC)国境を越えて重大な人権侵害の加害者を裁くために2002年7月にオランダのハーグに設立された、常設の国際刑事裁判所。ICCが裁く犯罪は、ジェノサイド(大量殺戮)罪や人道に対する罪(奴隷制、強かん、強制失踪など)、戦争犯罪(紛争下における一般市民の殺害など)といった、大規模で組織的な人権侵害である。2009年3月には、スーダンの現大統領に対する逮捕状が出された。

2010年3月5日

社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
日本聖公会東京教区「エルサレム教区協働委員会」
日本YWCA
特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン
パレスチナの子供の里親運動
ピースボート
特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ